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これはよき!「ユビフェス名古屋」に演奏者と聴衆の素敵なカンケイを見た

EYSでは、レッスンに通い始めて間もない生徒さんが練習の成果を披露する「ユビフェス」なるイベントを定期的に開催しています。一流のプロをバックバンドにしたがえて(!?)セッションを楽しめるのが最大の魅力なのですが、今回参加させていただいて実感したのは、「フェス」という言葉通り、あくまでこれは“発表会”ではなく“お祭り”なのだということ。

2月24日に名古屋で開催された「ユビフェス名古屋」の様子をレポートしながら、イベントの魅力を深く掘り下げてご紹介します!

■こんどの「ユビフェス」はライブハウスだゾ!

「ユビフェス」の主役は、EYSで楽器や歌のレッスンを始めて間もない生徒さんたち。数えるほどの講習を受けただけで、一流のプロのバックバンドとともにステージに立ち、セッションを楽しめてしまうというユニークなイベントです。

毎回いろんな趣向が凝らされる「ユビフェス」ですが、今回は名古屋栄にあるライブハウス「DOXY」を借り切っての開催。ほの暗い空間のなか、あちこちにプロ仕様の本格的な楽器や機材が…。いかにも“音楽の現場”といった雰囲気で、おのずとテンションも上がります。

店内にはバーカウンターが併設されていて、注文すると専属のバーテンダーがその場でお酒を作ってくれます(わっしょい!)。

■演奏を楽しむことを知る人のための“お祭り”

そんな独特の雰囲気も手伝ってか、今回の「ユビフェス」では、生徒さんとプロの演奏家の方が気さくにお話されていたり、演奏中にフロアから合いの手が入ったり、いつにもまして終始アットホームな雰囲気が印象的でした。

演奏前の生徒さんたちはさすがに緊張されているご様子。ドラムの生徒さんは、講師の先生に教わったという「クローズドリムショット」がリハでは上手くできずにちょっと悔しそうでしたが、演奏後は「楽しかった!」と晴れやかな笑顔を見せてくださいました!

もう一人のドラムの生徒さんは、端正なお顔立ちの美女。

靴を脱いで(!)ニルヴァーナの名曲を披露してくださいました。

撮影した写真をあとで見返すと、演奏するほうも聴いているほうもとにかく笑顔の比率が高い(笑)。

スタッフの方が「いい演奏を聴かせてくれてありがとう」とおっしゃっていたり、会場に応援に来ていらしたキーボードの安井先生も、演奏を終えた生徒さんに「素敵でした!〜さんらしい演奏だったね」と声かけされていたり、とにかく演奏の出来/不出来についてはいっさい誰も口にしない。

本来、発表会というと、どちらかというとイヤなもの。できれば出たくないと思う方がほとんどではないでしょうか?子供の頃にピアノの発表会に出たことがありますが、あたりにピリピリした空気が張り詰めていて、コンクールでもないのに恐い顔をした審査員に粗探しされているような、居心地の悪い気持ちになったのを覚えています。

演奏のあとは、先生にも「ピアニッシモ、やっぱりうまくいかなかったね」と悪いところを指摘されて、ひどく肩を落としたものでした。

「ユビフェス」はそんな発表会とは雰囲気がまるで違っていて、「さぁ、お手並み拝見!」みたいな雰囲気が全然ない。演じる側/聴く側という構図がないから、殺伐とした空気感を生んでしまうことがありません。

「ユビフェス」の様子を見ていると、演奏の良し悪しだけを大事にするのって、音楽の関わり方としてちょっとどうなの?という気がしてしまいます。

■今回もホスピタリティの高さに泣いた〜

1月の「縁日ナイト」の記事でもご紹介しましたが、今回もプロの演奏家の方々の高いホスピタリティが改めて胸に響きました。リハ後に、生徒さんの楽器の音が想像していたように映えない……という案件が発生し、急遽バンド全員でミーティングを開催。

キーボードで主旋律を重ねてもいいところですが、それだと肝心の生徒さんの音がかき消されてしまうという判断から、ボーカルを入れることに。実際、生徒さんの演奏がちゃんと聴こえて、これがほどよいバランスで仕上がっているんですよね。

ボーカルの方は、急遽歌うことになったわけですが、ものの数十分の間に歌詞を暗記(しかも英語)!そのスキルの高さにも驚かされますが、生徒さんが演奏を楽しむことを最優先するブレのない姿勢に深く感銘を受けてしまいました……。

同時に、何回かのレッスンで生徒さんをステージにあげる講師の先生方の力にも脱帽です。楽器に触ったことさえない方に、数回教えただけでこれだけの形に仕上げるのはいったいどんなマジックを使っているのかと首を傾げたくなるし、安井先生のように講師の方が休日返上で応援に駆けつけて、動画撮影やマイクの位置調整までしてくれるという手厚いケアぶりもちょっと普通じゃない。

「ユビフェス」には、生徒さんをバックアップする第一線で活躍するプロのバックバンドや一流ホテル並みのホスピタリティなど、音楽を上達するためだけでなく、“楽しむ”ための環境が整っているということ。「フェス」という言葉が物語る通り、音楽や演奏を楽しむ方法を知る人だけが集まる“お祭り”だといえそうです。演奏者/聴衆という発表会的な図式に縛られない素敵な音楽のカタチ、ぜひ体感してみてください!

鈴木 一禾(スズキ イチカ) by
ライターとして活動するかたわら、カメラ撮影もしています。アパレルECのコンサルタントを手がけることも。楽器はピアノを弾きます。子供のころにお箏も少し。好きな音楽家はエリック・サティとマイケル・ジャクソン。