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2020.05.01 【プロが解説】チェロの弓の選び方はどうする?おすすめの素材やメンテも解説

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チェロの弓の部位について

弦楽器は楽器が大きくなるほど、弓が短くなる、という特徴があります。ヴァイオリンの弓とヴィオラの弓は、平均すると、ほぼ同じ長さの73センチ、チェロの弓は69.5センチとされています。重さは70~80グラムで、ヴァイオリンやヴィオラにくらべてやや重くなっています。

①各部の名称と役割

  • ヘッドとチップ

弓の先端ヘッドは最もストレスのかかりやすい部分です。毛の先端にはチップと呼ばれる板状のものが張られています。チップは先端を保護し、同時に毛を差し込む楔(くさび)穴の保護をしています。

  • スティック

弓の中心を成す部分で、チェロと接する毛を支えます。

  • 巻線

人差し指が触れる部分に巻かれている細い線です。シルバーや銅、金糸銀糸、革など、さまざまな種類のものがあります。弓の重心のバランスをとるために巻かれています。

  • グリップ

持ち手の役割を果たしています。親指はグリップとフロッグの境目に、人差し指はグリップの先、巻線に少しかかるぐらいのところに置きます。

  • フロッグ

張った毛を巻き込んで、固定し、スティックとスライドしながら、毛の張りを調節しています。

  • スクリュー

ここを回して毛を張ったり、ゆるめたりします。

②チェロを弾く前

チェロを演奏するときは、最初に毛を張ります。弓の元にあるスクリューを右に回すと、毛は強く張られ、左に回すと緩みます。

毛を張るときは、あまり強く張らないように注意します。強く張りすぎると、弦を弾いたときに、弓が跳ねてしまうからです。逆に緩すぎると、スティックに毛が接触して、つぶれてしまいます。目安としては、弓の中央部で、スティックと毛の間に小指が入る程度が良いでしょう。

☆③チェロを弾いた後

練習が終わると、スクリューを回して弓の毛をゆるめておきます。張った状態のままでいると、弓の張力が失われ、使えなくなってしまうからです。

チェロの弓の選び方は?

初心者の多くは、入門編として、チェロと弓、ケースがセットになったものを購入するでしょう。しかし、入門セットの場合、コストのほとんどを占めているのが楽器本体で、弓は比較的安価なものが添えられていることが多いようです。

弾き始めはそれで十分なのですが、ある程度チェロにもなれてきた段階で、もう少し上の弓の購入を検討しても良いと思います。というのも、弓を良いものに替えたことで操作性が上がり、これまで苦労していた箇所が、苦労なく弾けるようになったり、腕の疲労度が変わってきたりするからです。

また、弓は破損しやすく、痛んでも修理ができないことも多いため、そんなときにも交換が必要になります。チェロの弓を新しくすることを考えたら、以下の点に注意して、より良いものを選んでください。

購入する際には、これまで使っていた弓を持っていき、比較しながら選ぶと、よくわかります。

①スティックのしなりが良いものを選ぶ

弓で一番大切なのは、スティックの部分の強度です。強度が弱いと、スティックがしならず、毛を張ったとき。最初は反っていたスティックも、次第に戻ってしまいます。

予算内の弓があったら、張り具合を同じにして(あまり強く張りすぎないように)、スティックの反り具合を比較してください。スティックと毛の距離が近いものは、自然にスティックが反っているということです。反対に距離が遠いものは、スティックの強度が不足していることがわかります。

②重すぎないものを選ぶ

弓は、単純な重さだけではない、実際に動かしてみたときの重さが重要なので、かならず試し弾きをさせてもらいます。構造や重心によって、同じ重量でも、体感する重さはかなり違いがあるからです。このときも、日ごろ使っている弓と比較しながら、持った感じはどうかを確かめます。

③弾いた時「跳ね」ないものを選ぶ

スティックと毛が平行状態になっているものは、実際に弾いたとき、弓が跳ねる、またははじかれたように感じます。そのため弓で弦を押さえようとして、腕に無用の力が入ってしまい、うまく弾くことができません。

一方、スティックの強度の強い、自然に反った弓の場合、弓に自然に下向きの力がかかって、腕の重さが乗るので、力を意識的に入れなくても、弓が弦を自然にとらえることができます。何本か試してみて、もっとも抵抗感のないものを選びます。

チェロの弓の素材について

https://pxhere.com/en/photo/153612

チェロの弓は、楽器本体と比較すると、構造が単純なため、材質の性能が直接影響を及ぼします。もちろん高品質の素材を使ったものの方が、「良い弓」と言えるのでしょうが、当然のことながら値段も高くなってしまいます。あらかじめ、どのくらいまでなら出して大丈夫なのかを定めた上で、できるだけコストパフォーマンスの高いものを選んでください。

①最上級のものとされるフェルナンブーコのスティック

「弓のストラディヴァリ」という異名を持つ、フランソワ・トルテという弓づくりの名手が、18世紀に見出した新素材です。ブラジルに植生するブラジルボクのなかでもペルナンブコ州で産出される種類の、心材を「フェルナンブーコ」と呼びます。

硬質で密度が高く、柔軟性のある、弦楽器の弓に望ましい性質をすべて備えたフェルナンブーコ材の登場によって、弦楽器の弓は大きく進歩したと言われています。

ところが葉が染料として使われたり、高級家具材としても使われたりした結果、乱伐が進み、現在では絶滅危惧種に登録され、ワシントン条約によって、輸出取引が禁止になりました。現在流通しているものは、それ以前に伐採され、輸出されたもので作られています。そのため今後、流通量は減る一方と予想されます。現在はまだフェルナンブーコの中でも中価格帯のものもあるため、試してみる価値はあるでしょう。

②カーボンファイバー製のスティック

ここ十数年ほどは、カーボンファイバー製の質も向上し、高価格帯の弓も増えています。カーボンファイバーのスティックの最大の特徴が、軽くて強いことにあります。そのためカーボンファイバー製のスティックには、木材と重さの差をなくすために、重量を付加してあります。低価格帯の弓は、木材の材質はどうしても抑えられているため、弓の強度が低くなっています。その点、硬くてしなやかなカーボンファイバー製のスティックは、同じ価格帯でも十分な強度を持っています。

また、カーボンファイバー製のものは木製のものにくらべてメンテナンスがしやすいというメリットもあります。

③ブラジルウッドのスティック

ブラジルボクでも、心材の部分がフェルナンブーコと呼ばれるのに対し、それ以外の部分はブラジルウッドと呼ばれています。フェルナンブーコに比べ強度に劣り、反りが戻りやすいという欠点がありますが、木目がないため加工しやすく、低価格帯のものによく使われています。始めて間もなくは、ブラジルウッドのスティックの弓で楽器に慣れていけばよいでしょう。

毛の素材

一般に、弓の毛はウマのしっぽの毛が使用されています。弾いているうちに、切れて少なくなったり、伸びたりする消耗品なので、定期的に交換が必要です。弓の毛替えは難しいので、楽器店にお願いします。詳しくは「チェロの弓の毛替えとは」の項目で説明します。

⑤フロッグの素材

親指がかかるため、手汗のつきやすい場所です。そのため丈夫で吸湿性に優れている黒檀(エボニー)のものが良いとされています。

チェロの弓のお手入れ方法は?

チェロの弓のメンテナンスは、ふだんの手入れと毛替えの2つがあります。ここでは演奏後のケア方法を紹介します。

①松脂をふき取る

弾き終わってチェロの弓の毛をゆるめる前に、スティックの部分だけを、乾いた布で松脂を拭き取ります。このとき毛にはさわりません。毛に付着した松脂は、布で拭いたぐらいでは取れないし、逆にゴミやホコリが毛に付着してしまいます。また、毛のバランスが崩れる要因にもなります。

松脂を拭き取る布は、定期的に洗濯して(使用頻度にもよりますが、目安は2週間に1度ぐらい)、清潔を保ちます。

また、松脂を拭くのとは別の布で、フロッグに着いた汗を拭いておきます。

②弓毛をゆるめる

チェロの弓の根元のスクリューを回して、弓毛をゆるめます。このとき、毛がブラブラするほどゆるめないでください。ゆるめすぎると、弓を出し入れする際に、毛が引っかかったり、先端の毛先を留めている楔が抜け落ちてしまったりするからです。

ゆるめるときは、板状になった毛が、ほぐれる直前ぐらいで留めておきます。こうすることで毛のバランス(毛にかかる張力の均衡)が崩れることなく、良い状態を保つことができます。

③演奏中に毛が切れたら

毛が切れてしまったら、その毛を引き抜いたりせず、根元をハサミで切るようにします。引き抜くことで、毛を束ねている糸がゆるくなり、ほかの毛も抜けてしまうからです。切れた毛を切る際には、ほかの毛にふれないように気を付けます。

チェロの弓の毛替えとは? 毛替え時期の目安は?

チェロの弓の毛の交換は、信頼のおける楽器店にお願いします。アマチュアであれば、通常は1年以上使用しても、毛が極端に摩耗して減ってしまうということもないのですが、毛の量だけでなく、毛全体にかかる張力のバランスや、毛の汚れや摩耗などを整える必要があります。ここでは毛の交換時期の目安を紹介します。

①毛が切れて少なくなったとき

チェロの弓の毛が切れるのはどうしてでしょうか。通常の弦による摩耗で切れる以外にも、弓を弦に擦りつけ過ぎている場合があります。このときは、スティックが松脂で白く汚れてしまっていることでわかります。演奏するときに、弓を傾け過ぎる癖のある人や、また、スティックの材質があまり良くなくて、反る強度が弱っているために、毛がスティックに張り付いてしまっている場合に、毛がきれやすくなります。

②毛の摩擦がなくなったとき

毛が摩耗してしまうと、弦に対する引っ掛かりが悪くなります。ただ、弾く際には、毛は松脂でおおわれているので、摩耗すること自体はそれほどありません。通常の練習であれば、1年以上は持つでしょう。

③毛が汚れているとき

弦にひっかかりが悪くなったと感じるのは、毛の摩耗よりも汚れが原因であることの方が多いかもしれません。毛には常時、松脂がついているために、汚れが付着しやすくなっているからです。ほこりや汗、皮脂、楽器を拭く布の糸くずや、弦から出る金属粉など、さまざまなものが毛に付着することで、弦がひっかかりにくくなります。

④毛の張力のバランスが崩れたとき

本来、同じ張力でピンと張られているはずの毛が、バランスが崩れてしまうと、弓が弦をとらえる力が弱くなってしまいます。そのため、音が「もやっ」としたものになってしまうのです。

バランスが崩れていないかどうかを確かめるには、普段の半分くらいまでゆるめた状態で、毛の張り具合を観察してみてください。部分的には毛がピンと張っているのに、部分的にはダラッとしている、という状態であれば、バランスが崩れています。

⑤毛が伸びてしまったとき

おもに湿度が原因で、毛は1年で5ミリ~1センチ近く伸びてしまいます。このような場合、スクリューを回して毛を張っているため、フロッグの位置はずいぶん後ろにずれてしまっています。こうなると、弓の重心の位置もずれてしまっています。毛を張りなおすことによって、チェロの弓のバランスが元に戻り、それだけで弾きやすく感じられるでしょう。1年を目安にして、定期的な毛の交換をおすすめします。

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EYS音楽教室は「教えてあげる」という上から目線になりがちな先生と生徒という関係ではなく、“Enjoy Your Sound”をキーワードに、お客様目線を最優先した最上級のサービス提供を第一としています。 

1. レッスンではなく「プロデュース」に責任を持ちます

EYS音楽教室では、先生がカリキュラムを決めて、カリキュラム通りに教える、というやり方は取りません。

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EYS音楽教室では、そうした1人1人の夢がかなうように“プロデュース”することに責任をもちます。

EYS音楽教室の講師は“レッスンを教える先生”ではなく、“会員様の音楽観の実現に責任をもつプロデューサー”として教育されています。

2. 時間の切り売りではなく「価値」あるサービスを提供します

EYS音楽教室の講師は、すべて正社員。時間契約の講師ではないため、会員様との長い信頼関係を築けるレッスンサービスを提供しています。月数回のレッスン、1時間のレッスン、といった時間の枠組みにしばられることなく、会員様それぞれが実現したい目標やゴールを共有し、弦の押さえ方が難しい、チューニングのコツがわからない、弓の毛がすぐ切れてしまう……といった、悩みや不安に寄り添いつつ、夢の実現をバックアップすることに責任をもちます。

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この記事の執筆者EYS音楽教室 編集部

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