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2020.05.01 【プロが解説】チェロの弦の種類や素材は何がおすすめ?張り方まで徹底解説

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チェロの弦の換え時は?目安は?

チェロの弦は、弦ごとに差がありますが、1つの弦につき、だいたい9kg~13kgの張力がかかっています。糸でもヒモでも、重いものをぶらさげておいたら、次第に伸び、劣化し、やがて切れてしまいますね。チェロの弦もそれと同じで、時間の経過とともに、何もしなくても伸びるのです。さらにチェロの弦は、弾くたびに指で押さえられたリ、弓でこすられたりするわけですから、3か月もするとかなり消耗しています。

暑いときには手汗や湿気で弦は錆びやすくなります。また、巻線がほつれるトラブルもあります。そのまま放置して弾き続けていると、劣化した弦が練習中にバチンと切れてしまうこともあります。

そうならないように、普段から弦の状態には気を付けておきたいものです。弦の交換は楽器店に依頼することもできますが、これから長いつきあいになる楽器ですので、この機会に自分で張れるようになっておくと安心です。

張替え時の目安

アマチュアでチェロを弾くのは週に5~6時間程度、という人であれば、だいたい3か月~半年が張替えの目安です。3か月に満たなくても、錆びやほつれに気がついたり、指で押さえた感覚や音の変化に気が付いたりしたときは、弦の張替えをしましょう。

張替える時は1度に4弦とも

錆びているのは1箇所だけであっても、張替えの場合は4弦ともすべて交換します。というのも、4弦とも交換すると、「交換前」「交換後」の音色のちがいがくっきりと聴き取れるからです。この音をしっかりと体感することで、次の交換時期の目安がわかってきます。また、弦の種類による音の違いなども聴き取れるようになります。

チェロの弦の種類

チェロの弦は、芯の周りにシルバーやタングステン、アルミニウム、クロムなど、さまざまな素材の金属の線が巻き付けてあります。それぞれの弦の特徴を見てみましょう。

①スチール弦

細いスチール線を束ねたり、縒ったりしたものがスチール弦です。スチール弦は、チューニングの安定性が高く、比較的安価なため、初級者によく使われている弦です。音量が出やすく、クリアで力強く、明るい音が特徴です。種類も大変多く、スチール弦の中でもさまざまな種類のものがあります。価格も、初級者にも購入しやすい低価格帯のものから、高性能の高価なものまで幅広いのがスチール弦の特徴のひとつでもあります。

②ガット弦

古くから弦楽器の弦は、ヒツジの腸(gut)で作られていました。羊腸をこまかく裂いたストランド(strand)を撚り合わせて弦にしていたのです。そのガットを芯にして、シルバーやクロム、タングステンなどの巻線を組み合わせて作られたのがガット弦です。

豊かで柔らかく、温かみのある音色ですが、湿度の影響を受けやすく、切れやすいという欠点を持ちます。またチューニングも難しいとされています。音を安定させるには正確なボウイングが求められ、一般に中上級者向けとされています。

③ナイロン弦

ナイロンを始めとするさまざまな合成繊維を芯にして、スチールやシルバー、タングステン、チタンなど、金属線を巻いた弦です。ガット弦の柔らかな音色を目指しながら、同時にチューニングの安定性にも優れている弦で、近年注目されつつあります。チェロではスチール弦が主流だったのですが、柔らかさを求める人を中心に、人気が高まっています。スチール弦よりも価格的には高価になってきます。

巻線の素材

同じ材質の芯線を使ったものでも、巻線によって音質や弾いた感じが変わります。それによって価格も変わってきます。ここでは主な巻線について、特徴を挙げていきます。

  • クロム…さまざまなメーカーで最も多く使われています。レスポンス(音の立ち上がり)の速い、明るい音が特徴とされています。
  • タングステン…レスポンスが速く、さらに豊かな音とされています。クロムのものよりも高価ですが、弦が細く、押さえやすくなっています。
  • シルバー…ガット弦の巻線に使われることが多いものです。レスポンスはやや遅いけれども、深く、温かみのある音が出るとされています。

チェロのおすすめの弦6選

チェロの弦は種類もさまざまで、どんな音がするのか、自分が弾く音がどれほど良くなるのか、いろいろ試してみたくなりますね。かなり高いものなので、特徴を参考にしながら、自分に合う弦を見つけてください。

①ヤーガー(スチール弦)

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ヤーガーはスチール弦でも柔らかく温かみのある音色で、特にヤーガーのA線とD線、以下に挙げたスピロコアのG線とC線を使うのが、定番中の定番とされています。比較的安価で、どんな楽器にも合う組み合わせだとされています。

メーカーは商品名と同じヤーガーでデンマークの企業です。スチール弦のみを製作しています。

②スピロコア(スチール弦)

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トマスティーク・インフェルト社は、1919年にウィーンでヴァイオリン製作者が中心となって創立した、世界中で支持されているブランドです。中でもらせん状にしたスチールを芯材に使用したスピロコアは、豊かな音色と安定感のある低音に人気があります。特にヤーガーのA線とD線、スピロコアのG線とC線の組み合わせは、定番となっています。クロム巻きとタングステン巻きがありますが、タングステン巻きは高価な分、音色も一層良く、さらに弦が細いために押さえやすくなっています。

③ラーセン(スチール弦)

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もうひとつ、人気のある組み合わせが、ラーセンのA線D線と、スピロコアのG線C線です。ラーセンは金属的になりがちなA線D線が、柔らかいと同時に華やかな音が鳴ることで、新しい定番になりつつあります。メーカーであるラーセン社は、デンマークのヤーガー社から分かれた新しいメーカーです。

④ゴールド(ガット弦)

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ガット弦の中では比較的リーズナブルな価格で人気の弦です。ガットならではの音色と倍音の響きを十分に感じることができます。A線とD線はアルミニウム、G線とC線はシルバーが巻線の素材として使われています。1789年創立以来、ガット弦を作り続けており、200年を超える歴史を持った同社のガット弦は、高い評価を得ています。

⑤ドミナント(ナイロン弦)

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トマスティーク・インフェルト社のドミナントは、ナイロン弦のスタンダードとされています。ガット弦に近い響きと、しなやかで温かな音色が特徴です。また弦が押さえやすく、スチール弦を押さえるのが辛いという人は、ナイロン弦を試してみるのも良いかもしれません。

⑥オブリガート(ナイロン弦)

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古い歴史を持つピラストロ社が製作した、最もガット弦に近い音質を持つと言われているナイロン弦です。輝きがあり、音圧があるとして、奏者からの評価も高い弦です。

チェロの弦の張り方

弦の交換は、かならず1本ずつ行います。交換する順番は、ネックに近い側、つまり4番→1番→3番→2番(C線→A線→G線→D線)の順番が一般的です。楽器を傷つけたりしないよう、作業環境を整えてから、作業に入ります。

①弦を外す

アジャスターのねじをゆるめます。弦の先端に付いているボール部分の位置を確認しながら、弦を外します。ペグをゆるめて弦を外します。

②弦をテールピースに挟み込む

弦の先端に付いているボール部分を差し込みます。それから駒が倒れないよう、弦を上に持っていき、ペグの糸穴(ペグにある弦を通すための穴)に弦の先を入れます。

③ペグを巻く

弦を糸穴に差し込んだら、ペグを手前から奥に向けて、1周、弦を巻きます。2週目は、突き出した弦の先をまたいで、ペグのねじ側(外側)に向かって巻いていきます。巻き終わりは、G線以外はペグボックスの壁に沿わせるようにすると、ペグがきちっと止まりやすくなります。

④チューニングする

ペグはゆるめに巻いておき、チューニングしながら張力を上げていきます。チューナーの音を聴きながら、アジャスターのねじを締めて、音の高さを微調整していきます。

⑤駒の角度をチェックする

駒は、楽器の表面に対して直角になっている状態を保っておきます。どちらかに傾いていたり、駒の足が表面から浮いていたりすると、音がうまく鳴らなくなってしまいます。傾いた状態のまま、放置していると、駒が反ってしまうこともあります。弦を張った時に傾いてしまうことがよくあるので、C線側からも、A線側からも確認してください。

練習後のメンテナンス―チェロのお手入れ方法

楽器は練習後、かならずメンテナンスをしておきます。ひとつには、手入れをする時間を取ることによって、楽器に対する愛着が増し、チェロが一層、好きになるからです。もうひとつの理由として、日々ケアすることで、楽器が長持ちし、良い音をだしてくれるからです。ここでは練習後のメンテナンスのやり方をご紹介します。

①松脂を拭き取る

最初に松脂が付いた部分を拭きます。松脂は時間の経過とともに固まってしまい、そうなると固着して取ることができなくなってしまいます。そうなったら専用のクリーナーを使うしかなくなるのですが、クリーナーで松脂は取れても、研磨剤などで楽器本体が痛んでしまいますので、なるべく使わずにすませたいもの。そのためにも、日々のメンテナンスは欠かせません。

楽器を拭く専用のシリコンクロスなども販売されていますが、柔らかい布であれば(古いTシャツなど)OKです。ただし、松脂拭き取り用と、全体のから拭き用の、かならず複数枚を用意してください。

固まる前の松脂は、ゴシゴシこすらなくても簡単に拭き取ることができます。優しくぬぐうように、軽く拭いてください。弦の部分、弦の下の部分、指板を中心に、弓を置いて松脂が付いた部分を拭き取ります。

松脂を拭き取ったら、別の布で楽器全体をから拭きします。特に手汗のつくネックや指板の部分や、皮脂のつきやすい体にふれる部分を中心に、全体をから拭きします。強くこすると傷が傷ついたり、ニスがはげたりするため、軽く拭くことが大切です。

②弓の手入れ

弓のスティック部分にも松脂がついているので、松脂を拭く布で拭き取ります。ただし、弓の毛の部分は松脂が付いたままでよいので、一緒に拭かないようにします。

スティックの部分を拭いたら、弓の毛を少しゆるめておきます。弓を張ったままにしておくと、スティックに負担がかかり、木の弾力がなくなってしまいます。毛がたわまない程度にゆるめておきます(弦はゆるめません)。

③チェロを保管する

拭いたあとは、専用のケースに保管します。チェロは温度変化や湿度変化に弱いので、夏場に高温になる場所や、冬場に低温になる場所に置かないようにします。また、湿度の管理も大切なので、湿度調整剤をケースに入れておくと良いでしょう。

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この記事の執筆者EYS音楽教室 編集部

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