楽器とボーカルの練習に役に立つ&読んで楽しい音楽情報

ユビフェス史上、最高に大人な空気の「ショコラdeクラシーク」はキッズもOKな宝物のような夕べだった!

楽器を習い始めたことがある方ならきっと一度は、「オケ」をバックに演奏してみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。去る2019年5月18日(土)に開催されたのは、そんな“ちょっとありそうにない”わがままな願いを叶えてくれる贅沢なイベント「ショコラdeクラシーク」。気になる様子をレポートします。

こんなクラシカルで上品なユビフェスもいい!

「ショコラdeクラシーク」は、「ベガスナイト」や「縁日」と同じくユビフェスの一つ。ユビフェスといえば、楽器や歌のレッスンを受け始めて間もない生徒さんが気軽にセッションを楽しむことができるEYSの人気イベントです。なかでも「ショコラdeクラシーク」は、「オーケストラの演奏をバックに、チョコレートをはじめとするスイーツを楽しむ」というテーマ通り、これまでにない、しっとり落ち着きある上品な雰囲気が印象的でした。

ありそうにないことに、真剣に取り組むのがEYSらしさ。たとえば今回の楽器編成は、バイオリンが4丁にビオラが2丁、チェロとコントラバスが1丁ずつ、フルートが1本に電子ピアノが1台という具合に、管楽器、弦楽器、鍵盤から成っています。見る人が見れば、かなり本格的な編成であることはもちろん、演奏家の方々のたたずまいや弓さばきが一流のそれだとすぐにわかるはずです。

通常のユビフェスとはまた違う重厚なテクスチャは、まさに「オーケストラ」そのもの。生徒さんがフルートで参加されているのですが、堂々とした佇まいですっかり溶け込んでいらっしゃるのは、もはやユビフェスではおなじみの風景ですね。

今回のユビフェスに出演された生徒さんは、フルートのお一人を除く全員がバイオリンの生徒さん。“クラシック”がテーマというからには、いわゆる西洋のクラシック音楽一色かと思いきや、ジョン・デンバー(John Denver)による古典的なヒット曲「カントリー・ロード」や、18世紀に誕生した賛美歌の定番「アメイジング・グレイス」まで、バラエティに富んだ“クラシック”を自由に楽しむというのがEYSらしい。

出演なさったみなさんのお衣装も、今回はとびきり清楚な印象。スタッフの方々もみなさん素敵なスーツ姿で、万年カジュアルの私は完全に場違い。その節は、たいへん失礼いたしました。

ブタペストの街角からドナウの流れを眺めながら、トカイワインを飲んで酩酊しているかのような気分にさせる(長っ!)妖艶なマエストロ演奏

マエストロ演奏では、バイオリンのソリストの方がシックかつ煌びやかなドレスで登場。サラサーテ(Sarasate)の名曲「ツィゴイネルワイゼン」を華麗に演奏してくださいました。この曲はテンポの揺れが魅力の一つといわれるだけあって、キーボードの伴奏はかなり難易度が高いはず。ところが、お二人の息はピタリと合っていて、胸迫るものがありました。本当に素晴らしい!

空間を完全に支配してしまう圧倒的な演奏技術に舌を巻いて、ふとあたりを見渡すと、一緒に聴いていらした生徒のみなさんも呆然としたご様子。「こんなに至近距離で本格的なヴァイオリンの演奏を聴くのは初めて」というおっしゃる方も。バイオリンの音色に包み込まれるような、不思議な感覚にさせてくれる特別な時間でした。

今回のスポット選定も、イケてて痺れた

今回、「ショコラdeクラシーク」の舞台となったのが、恵比寿にある「NOS Bar & Dining」というお店。「飲食×アート×音楽の融合」をテーマに、エクリュ色の壁には、パブリックエナミー(Public Enemy)のフレイヴァー・フレイヴ(Flavor Flav)やクーリオ(Coolio)など数々のヒップホップアーティストをモチーフにしたポップアートが素敵に配置されています。天井にはミラーボール、巨大なスピーカーも設置されていて、音楽を楽しむには最適な場所です。

オープンキッチンの厨房には、カッコいいコックコートをまとったスタッフのみなさんが。躍動感たっぷりにテキパキとお仕事をされていました。その様子や厨房のキッチンツールが発する音が、ユビフェスの演奏と調子が合っているようにも聞こえ、お店の空間全体で一体感が感じられます。

素敵なバーカウンター。お酒にめっぽう無調法なわたしでも、思わず「それじゃあ一杯」と行きたくなる雰囲気です。

お料理は彩り華やかで、お味のほうも本格的と評判でした。素敵な音楽と、気の利いたハコ、美味しいお酒にお料理……必要なものが全部揃ったユビフェスなのでした。

それもこれも、甘露の仕業

宴もたけなわとなり、みなさんの表情がやわらかく、場全体があたたかい雰囲気に包まれてきたところで、「ショコラdeクラシーク」に欠かせない甘美なデザートが登場。

たとえば、こちらのチョコレートケーキ。決して派手さはありませんが、味のほうは確か。そしてこれこそ、“クラシカル”。今回のユビフェスのテーマにピタリと当てはまっています!

図ってのことなのか、それとも図らずしてそうなったのか……いずれにしても、こうして素敵なイベントになったのは、河野先生はじめ、スタッフの方々のご尽力あってこそ。

クラシックとショコラが引き寄せる素敵な仲間

今回も素敵な出会いがたくさん!こちらは、ご主人の練習の成果を観に来ていらした奥さまとお子さま。聞けば、奥さまもバイオリンを演奏なさるのだそう。将来、お子さまを加えて三人で演奏を楽しまれるご様子が想像できて、ほっこりしてしまいました。

そのほか、参加された生徒のみなさんが、まるで旧知の仲であるかのように見えたのも印象的でした。EYSのイベント終了後、いくつかのグループに分かれて二次会(?)へと繰り出すのはよくある光景なのですが、今回はほぼ全員がそのまま帰途にはつかずに声を掛け合い、一団となって大人の街へと消えていかれました……。

EYSのイベントはどれもそれぞれに趣向が凝らされていて、いろいろな楽しさ、違った笑顔に出会えるのが毎回とても楽しみです。参加された生徒のみなさんの距離がぎゅうっと縮まるのが手に取るようにわかると、素敵な瞬間を見つけられた気がして、とてもしあわせな気持ちにさせてくれるのです。

クラシックとチョコレートを囲む夕べ、「ショコラdeクラシーク 」。また一つ、宝物のような記憶ができました。

鈴木 一禾(スズキ イチカ) by
ライターとして活動するかたわら、カメラ撮影もしています。アパレルECのコンサルタントを手がけることも。楽器はピアノを弾きます。子供のころにお箏も少し。好きな音楽家はエリック・サティとマイケル・ジャクソン。