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OCT,2021
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ドラム初心者、中級者も盲点!セッティングが大切な理由と4つのポイント

投稿者 :沼田翼

こんにちは。
今回は、ドラムをセッティングする際のポイントや実は中、上級者でも知らないポイントをレクチャーしちゃいます!

どうしてもドラムを前にしてしまうとすぐに叩きたくなってきますよね。その気持ち、とても解ります!
しかし、ドラムは様々な楽器の集合体であるが故に、まずはそれぞれのプレーヤーに合わせたセッティングが必要となってきます。

1. セッティングがなぜ重要なのか

まず、セッティングがなぜ重要なのかをお話したいと思います。

例えるならば靴のサイズをキチンと合わせるのと同じことなんですね。我々人間はそれぞれ身長も違えば身幅も違います。誰一人として同じサイズの人間は居ないハズなんです。
自分の足と合ってないサイズの靴を履くと走りづらかったりそもそも履けなかったりしますよね。

ドラムセットも同じなのです。

ドラムセットはシンバルスタンドや椅子、タムホルダー含めて様々な箇所が調整できるようになっています。この調整ポイントを見極めて自分の一番叩き易い高さに設定する事が上達への一歩、、、というよりは身体に負荷をかけずに楽に叩く為のポイントなんですね。

ドラムを楽に叩けるということは長時間演奏しても疲れにくく、集中力の持続に繋がります。この集中力によって“緊張”したりすることを軽減することにも繋がってきます。また、逆に身体のサイズに合っていないセッティングの楽器を演奏する事によって身体を痛めてしまう事にもなってしまいます。

ドラムは基本的に力(筋力)で叩くのではなくスティックと腕の重さで叩く楽器です。なので無理のない高さや位置に楽器がないと不必要な力をどうしても入れてしまうことにより叩きにくく、本来の演奏技術を発揮することが難しかったり最悪、怪我に繋がったりしてきてしまうのです。

2. まずは椅子の高さを見直してみましょう

さて、まず最初に手軽くセッテイングを変えられるのはドラムスローン、いわゆる“椅子”の高さですね。この椅子の高さですが実はとても奥が深いんです。勿論、子ども達のように足がベースドラムに届かないなどの問題に寄り添うことも大事なのですが大人でもぜひ意識して頂きたいことなんです。

皆さんは日によって「ベースドラムが踏み易いな、、、今日は以前やったことが難しく感じる、、、」などと思った経験がありませんか?この原因、実は椅子の高さが物凄く関係しているんです。

人間はいくつも“関節”がありますよね。この関節の曲がり具合と密接な話になってくるのですが、近くの物、、、例えばすぐ横に置いてある携帯電話を手に取る事はそんなに気にせず手を出せると思います。ところがテーブルの端にある醤油を取るときは腕を伸ばして少し身体も動きますよね。もっと極端なのは急な運動をして足が攣ってしまった経験はありますか?この時、足の関節って多分伸びきってしまってるハズなんです。

何が言いたいかと言うと、人間は自分の近くにあるものは特に不自由なく身体をコントロールできるのですが身体から遠ければ遠いほどコントロールすることができずに不要な力が入ってしまうのです。ドラムは脱力することが一番大事なのですが、椅子の高さが高ければ高いほどベースドラムまでの足の距離が遠くなってしまい、コントロールが難しくなってしまう(関節が必要以上に伸びてしまっている)のです。

楽器の位置が高く楽器から遠い状態

(写真)×…楽器の位置が高く楽器から遠い状態

コレは、腕のコントロールにも同じ事が言えます。特にシンバルですね。シンバルの位置が遠いと腕をより遠くへ伸ばさなければならないので余計に力が無意識に入ってしまうことにも繋がってしまいます。

椅子の高さは足への距離感を近くすることに影響するのでしっかりとベースドラムを踏むことにも繋がってきます。ベースドラムの音量をしっかり出すのも力を込めて踏むのではなく、足の重さを活かして踏むことがとても大事になってきます。ただ、いきなり足の重さだけで演奏しようとするのは難しいので“ペダルの踏み込みを深く感じて踏めているか”の感覚がとても大事になってきます。仮に椅子の高さが高かったり座る位置が遠かったりするとベースドラムを踏み切るまでの距離が遠くてペダルが重く跳ね返りが強く感じてしまうと思います。そうではなく、自分の足とペダルまでの距離に見合った高さ(力を入れなくてもスッとペダルが踏み込める高さ)に設定し直してあげることがセッティングを整える第一歩となってきます。

椅子の位置が低

(写真)○…椅子の位置が低く、膝にゆとりのある状態

3. ペダルやシンバル、タムの高さを気にしてみましょう

ベースドラムのペダル

前章の続きになってしまいますが現代ベースドラムのペダルはかなり調整する箇所があります。ただ、全ての箇所を気にしてあげる必要なはく、主にビーター(打面を叩くハンマー)の角度とスプリングの強さ。この2点さえ気にしてあげれば大丈夫です。まず、踏み込んだ時にスグに打面に当たってしまい“踏み込んだ感じがしない”のはビーターの角度が浅いのが問題ですので角度をつけてあげると踏み応えのある感触に変わります。ただ、足の甲に当たらない距離感にしないと足が痛くなるので気をつけましょう笑

また、踏む時にかなり力を要したり“踏み込みっぱなしにした時に力を入れる必要がある”場合はスプリングの強さが強すぎるので緩めてあげましょう。緩めすぎると跳ね返ってこなくなってしまうので気をつけましょうね。

タムの角度

さて、ここからが中級者あたりも盲点となっているタムやシンバルの高さです。よく、タムがものすごい角度になっているドラムセットがスタジオにあることがあります。実は、ドラマーが上手なのかどうかは叩く前から解ってしまいます。その判断基準が“タムの角度”なのです。

タムの角度がかなり傾いている状態

(写真)×…タムの角度がかなり傾いている状態

ドラムはスティックの重さを活かして演奏する楽器なので“上から振り下ろす”ことがとても大事になってきます。では、なぜ上から振り下ろす楽器なのにタムの角度がつきすぎてしまっているのか?おそらくコレはタム回しをする時に打面ではなくリムにカチカチ当たってしまうからタムに角度をつけてその問題を解消しようとしていることが目に浮かびます。

しかし、この方法は間違いです。原因はタムの角度ではなく、プレーヤーのフォームに問題がありテイクバックをしっかり上げること(アップストローク)ができていないからなのですね。アップストロークがしっかりできていればタムを上から叩くことができるハズなのでタムを傾ける必要がない(むしろリバウンドが得られず叩きづらい)のです。上手なドラマーのタムを見てみると殆ど地面と並行か、若干手前に傾いている程度なのでぜひ見てみて下さい。

タムの角度が浅く理想的な状態

(写真)○…タムの角度が浅く理想的な状態

シンバルとスネアドラムの高さ

次にシンバルやスネアドラムの高さですが、一言で言ってしまうと関節がゆとりを持って曲がる位置に配置するのがベストです。シンバルも高過ぎたり低すぎたりすると前述したアップストロークが上手く活かせずにシンバルにパンチしに行ってしまう形になり、シンバルが鳴らないどころかスティックがシンバルのエッジに当たりガビガビにスグ痛んでしまうことになります…。シンバルも太鼓類と同じくあまり角度を付けないでセッティングしてあげて常に“上から叩くる”意識を持つことが大事です。

最後にスネアドラムですが、よく見受けられるのはスネアドラムの位置が“低すぎる”人が多いです。
人間は関節が曲がっていれば(身体からの距離が近ければ)よりコントロールし易いのでドラムセットの中で叩く回数が非常に多いスネアドラムに関してはとても重要になってきます。

楽器の位置が低く膝に当たってしまっているフォーム

(写真)×…楽器の位置が低く膝に当たってしまっているフォーム

スネアドラムの位置が低いと、まず両手が太ももに当たってしまったりして演奏に弊害が出てしまいます。また、叩いた時点で殆ど関節が伸びてしまっている(特に肘と手首)ためリバウンドを上手にキャッチできない事が多いです。イメージして頂きたいのは行進しながら演奏するマーチングドラムの高さです。マーチングドラム隊は歩きながら演奏するというのもありますが肘や手首が十分に曲がっている位置にスネアドラムがあるハズです。最初は窮屈に感じてしまうかもしれませんが自分の肘と手首が十分に曲がっているかを確認できる高さまでスネアドラムを上げてみて下さい。いつの間にかスネアドラムのコントロールがとても楽になっていると思いますよ。

余裕を持ってスネアドラムに構えられるフォーム

(写真)○…余裕を持ってスネアドラムに構えられるフォーム

4. ネジの位置を気にする

さて、ここからは上級者、、、はたまたプロでも実践している人が少ない裏技です。

私自身、暫く気づいておらずポンタ師匠(村上PONTA秀一氏、2021年3月逝去。世界的に有名な日本のトップスタジオミュージシャン)の元にアシスタントしに行ってから実践し始めた“ポンタ流のセッティング術”かもしれません。

皆さんの利き手はどちらでしょうか?私がアシスタント時代から実践しているのはドラムセットに座った時にシンバルスタンドやスネアスタンドなど、あらゆるネジを“右側に配置する”ことです。

もうお気づきかもしれませんね。ネジを全て右側に配置することによって座ったままでも楽々と高さの微調整が可能になるのです。例えばシンバルスタンドには高さを調節するネジが2、3個付いているハズです。おそらく世のドラマーは無意識のうちに手を右に回したり左に回したりしてネジに手を伸ばしていると思います。このネジ達が縦に一列になればどうでしょうか?腕を左側に回して窮屈な体制でネジを回すこともなく、右手でネジを左手でスタンドを支えながら余裕綽々で高さの微調整ができてしまうのです!

この技は是非とも世界中のドラマーに共有したいですね。そうすれば街のスタジオでも皆さんがセッティングに時間をかけることなくスグにドラムを演奏する事ができます。

また、スムーズなセッティングをする為にスタジオに入ったらまずシンバルスタンドをどかしてしまうのも一つの手です。しっかりとセッティングするスペースを確保してから取り組めば無理に余計な力を込める事なくストレスフリーでセッテイングをすることができると思います。

オマケ☆
大きいステージでのドラムセッティング(ステージが設営されるまでの)映像です。

いかがでしたでしょうか?
私自身、学生時代から兎に角叩く時間が惜しくてスタジオに入ったらスグに叩き始めていた経緯があってこその今回の記事を書かせて頂きました。

練習は時間よりも密度です。例え短時間でも自分に合った楽器でトレーニングすれば変なクセが付くことなく演奏技術を習得することができると思いますので、ぜひドラムセットのセッティングを試みて下さい。

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
音楽大学卒業/村上‘PONTA’秀一 氏に師事。めざましテレビ『超絶技巧選手権』への出演や、テレビドラマ/アニメの劇伴レコーディング、夏フェスへの出演、平昌オリンピック関係者懇親会や大田区政60周年記念式典でのパーティー/ブライダル演奏など、活動は多岐に渡る。さらに、バンドマスターとして、ホール規模のコンサートや、レコーディングのコーディネート業務も行なっている。 また、趣味の海外旅行をきっかけに、ボストン、バリ、ハワイ等でのセッション経験も多数。 Roland、EVANS、Pro-Mark各社よりサポートを受けるエンドース・プレイヤー。