楽器とボーカルの練習に役に立つ&読んで楽しい音楽情報

音楽に関する仕事に就くには?~楽器店店員(白鳥義樹さん)~

楽器店 仕事

世の中に存在するさまざまな職業の中で、音楽に関する仕事について取り上げるこのシリーズ企画。

今回は、楽器専門店「ミュージックランドKey渋谷店」で働く白鳥義樹さんに話を伺いました。音楽に関する仕事をしたいと思っている人にとって、何かヒントがあるかもしれません。早速、お話を聞いてみましょう。

まずは、白鳥さんのプロフィールを簡単にご紹介。

白鳥義樹(しらとり よしき)
現在29歳、ミュージックランドKeyに入社して5年目。現在は渋谷店のベースフロアで、日々様々な業務を行なっています。

 

楽器屋はパワースポットみたいな場所

−−−白鳥さんが楽器屋さんで働き始めたキッカケは?

「もともとは自分もバンドでベースを弾いていたんですけど、その時からとにかく何でもいいので音楽に携わる仕事をしたいと思っていました。そして、5年前にミュージックランドKeyの池袋店でアルバイトを始め、最近渋谷店に異動してきました。」

 

−−−アルバイトを始めた当初から楽器が好きでしたか?

「はい。とにかく楽器が好きで、今もギターとベース合わせて数十本は所有しています。バンドマンだった頃からしょっちゅう楽器屋に足を運んでいて、楽器屋は私にとってパワースポットみたいな場所なんです(笑)。」

 

楽器販売 仕事

 

楽器を売るのは仕事のほんの一部

−−−現在の主な仕事の内容を教えてください。

「ベースフロアの販売員として、メインの仕事は楽器を売ることですが、他にも楽器の企画や仕入れ、事務的なことまで、業務はいろいろあります。さらに、オンラインショップも展開しているので、楽器の写真を撮影したり紹介文を書いたりもしています。」

 

−−−そんなこともしているんですね!こちらのお店は購入した楽器のアフターケアもしっかりみてもらえるイメージがありますが。

「そうですね。楽器のメンテナンスも行っています。まず、楽器を購入していただいたら、楽器を工場出荷時のフラットな状態から、お客さんのプレイスタイルに合わせて調整します。同じ楽器でも調整次第で音も弾き心地もかなり変わりますからね。購入後もお客さんに楽器を持って来てもらえればいつでも調整します。当店で購入した以外の楽器でも大丈夫ですよ。」

 

−−−それはお客さんからするとかなり有り難いですけど、正直なところ…お店的には調整に時間を使うより楽器を多く売った方が利益になるのでは?

「確かにそうですが、当店の場合、安い楽器をたくさん売るのではなく、お客さんには本当に良い楽器を長く愛用して欲しいと考えているので、一人一人のお客さんとしっかり向き合おうと思ってます。ですから他のスタッフも、楽器製作の学校の卒業生や、実際に工房で楽器を製作していた経験のある元クラフトマンなど、楽器に精通し、しっかりとメンテナンスのできる人が多いです。」

 

ギター 販売

 

一本一本に物語がある特別な楽器

−−−先ほど仕事内容の中でおっしゃっていた「楽器の企画」とはなんですか?

「各楽器メーカーに、色や材質などを一本一本指定して当店独自の楽器をオーダーしているんです。それを「企画」と呼んでいます。当店に置いている楽器はほとんどが企画でオーダーした楽器で、純粋な既製品は限られたメーカーのみです。時には直接工房に行って製作者さんに『こんな仕様で作ってもらえませんか?』と直談判することもあります。」

 

−−−そんなことまでされているなんて…驚きです!しかし、そこまでする理由は?

「ただ既製品を販売するのではなく、お客さんには一本一本に物語のある特別な楽器に出会って欲しいと思っています。ときどきお客さんで『数年前に白鳥さんからベースを買った者なんですけど…』と声を掛けてくれる人がいて、見た目や服装が変わっていると顔を見ても思い出せないこともありますが、ベースを取り出した瞬間『●●さんですね!』とすぐにわかるんです(笑)。それぐらい、一本一本の楽器を大切にオーダーしています。」

 

楽器販売店 店員

 

お客さんのホットな気持ちを大切に

−−−白鳥さんがどれだけ楽器を愛しているのか、よくわかりました。しかし、それだけ楽器が好きなら販売ではなく楽器の製作者になりたいとは思いませんか?

「うーん…楽器の製作者は基本的に工場にいるので、お客さんの顔が見えないじゃないですか。それが僕の性格としては寂しいかなと。僕はどちらかというと、お客さんの近くにいたいタイプの人間なんですよ。店でお客さんと話をして、その人がどういう人で、どういう音楽が好きなのかを聞きながら、最高の一本を選んであげたいんです。楽器屋を訪れる人は、初心者も経験者も、皆さん心の中に何かホットな気持ちを持っています。その想いを大切に、これからもお客さんに向き合っていきたいです。」

 

楽器屋 スタッフ

 

白鳥さん、素敵なお話をありがとうございました!

メンテナンスやオーダーなど幅広い業務をこなしながら、お客さんの近くに寄り添う白鳥さん。時にはお客さんの声や要望を楽器メーカーにフィードバックするのだそうです。ただ楽器を販売するだけでなく、楽器の弾き手と作り手の橋渡し的な存在を担う、非常に重要な仕事なのだということがよくわかりました。

ミュージックランドKey渋谷店

 

32種の楽器&ボーカルコース
EYS音楽教室

しも by
1984年生まれのフリーライター。 信州安曇野出身・東京多摩地区在住。 レゲエユニット「KaRaLi(カラリ)」でミュージシャンとしても活動中。