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JUN,2020
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バイオリンで千と千尋の神隠し「いつも何度でも」の演奏方法を現役音楽講師が解説!

【いつも何度でも/〜千と千尋の神隠し〜】とは

ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の主題歌として有名な曲ですね。上のYouTubeで木村弓さんが膝の上で伴奏楽器として使われているのは北欧の「ライアー」という楽器です。筆者の母も演奏する事があり、ハープを小型にしたような楽器ですね。とても耳馴染みの良い曲ですよね。実際に演奏するにあたってはこの曲の拍やリズムを取らなければなりません。この曲は3拍子で書かれているのですが、アウフタクト(小節を前倒しして入るフレーズ)が2拍と長い為に少し混乱してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、メロディーに入ってからカウントしてみればしっかりと三拍子で進んでいくので、落ち着いて3拍子を感じてみましょう。

【いつも何度でも/〜千と千尋の神隠し〜】の演奏方法を解説した動画をCheck!

実際に【いつも何度でも/〜千と千尋の神隠し〜】を弾いてみました

1stメロディーの演奏方法を解説

最初に出てくるメロディーは徐々に音階が下がってくる「カノン進行」(パッヘルベルのカノンにみられる下降進行系のコード進行)に似ていますね。伸ばす音をしっかり弾く為に弓の使い方を気をつけてみましょう。

特に、ロングトーンの音はダウンボーイング(弓を下向きに動かす)が多いのでロングトーンの前に弓をしっかりと戻してあげる事を意識してみましょう。バイオリンでロングトーンを弾く時に大事なポイントは主に二つあります。一つ目は脱力している状態で右手首を柔らかく使ってあげる事。これは実際にバイオリンを習っている方もレッスンでよく言われるのではないでしょうか?口で言うだけだと簡単そうな言い方ですが、実は脱力してのロングトーンは結構難しかったりしますよね。弓に力が入ってしまって音がギシギシになってしまったりする方へ僕が普段から進めている練習方法がこちらです。

まず、弓を弦の上に乗せて弓が倒れないように親指と人差し指だけで摘んであげます。他の指は離してしまって構いません。摘んだ状態でそのまま横に動かしてあげましょう。そうすると、他の指は弓から離れている状況なので力を入れたくても入れられないハズです。それでも、弓をそのまま動かす事によって音は出ているハズです。そう、バイオリンは弓の自重だけでも十分音を出す事ができるのです。

二つ目はロングトーンの直前の音を弾き終えた時に【弓がどこの位置で止まっているか】を意識してみてください。例えば、ロングトーンをダウンボーイングで弾きたい時は弓の元からスタートしたいですよね。弓の動きを逆算してあげる事が一番のポイントです。弓の元からスタートしたいのであれば、その前の音やもっと前の音を弾いている時から弓のどの部分で弾いているのか、弾き始めて弾き終わっているのかを意識してみましょう。これだけで弾きやすさがかなり変わります。

2ndメロディーの演奏方法を解説

2つ目のメロディーはスラーに注目してみましょう。4つの音が連続して弾かれているスラーがいくつもあります。ここでも弓の圧力は大事になってきます。上述にもありますが、バイオリンの音色は弓の扱い方で大部分が決まってしまいます。しかし、左手の音程を安定させる事がバイオリンの一番難しい所でもあるので、どうしても左手に意識が行ってしまい4つの音をスラーで弾いている時に気づけば弓が足りなくなってしまっている!なんて事、ありませんか?

スラーを弾く時は弓が余るくらいのつもりで弾いてあげると余裕が出てきます。特に、2つ目のメロディーの最後の方には6つスラーで弾いている所があります。このように、長く弓を使って弾かなければならない時は最初の音をなるべく小さく使って弾いてあげます、そして弓の真ん中らへんで後どのくらい弓が残っているのかを判断してあげます。ここで、判断基準についてのお話になるのですが最初練習している時は目視で判断していただいて構いません。ただ、色々な曲を弾いているうちに徐々に手首の位置がわかってくると思います。そうなってきたらなるべく目視ではなく右手首の位置を把握して今どの辺りの弓の位置にいるかを身体の感覚に委ねてみましょう。

人間の身体は面白いもので、一度意識をしてみると自然に身体も反応してくれるのですお箸で豆腐を掴む時もなんとなく「このくらいの力で挟めば掴めるな」という感覚で食べていませんか?箸が豆腐にどれくらい食い込んでいるか目視で判断はあまりしないと思います。左手の指も同じです。最初はシールを貼って位置を覚えていますが、段々とシールから目を離して行けばしまいにはシールを必要としないで演奏できるようになります。

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最後に

いかがでしたでしょうか?今回はジブリ映画「千と千尋の神隠し」より【いつも何度でも】を執筆させて頂きました。バイオリンの醍醐味でもある長い音や、一番いい音が出しやすいA線とE線をふんだんに使用した楽曲となっております。楽器を演奏する事に段々慣れてくると意識と無意識の狭間で迷う事が出てくるかもしれません。これは、脳がイメージとフィジカルを合致させようとしているのですが、練習していて分からなくなってしまったら一度楽器を置いてみるのも手です。弓のお話ではないですが、一つ一つの動作を確実に見直して行けば今まで培ってきた技術は必ず積み重なって来ていますので自分の身体を信じてあげましょう。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
音楽大学卒業/村上‘PONTA’秀一 氏に師事。めざましテレビ『超絶技巧選手権』への出演や、テレビドラマ/アニメの劇伴レコーディング、夏フェスへの出演、平昌オリンピック関係者懇親会や大田区政60周年記念式典でのパーティー/ブライダル演奏など、活動は多岐に渡る。さらに、バンドマスターとして、ホール規模のコンサートや、レコーディングのコーディネート業務も行なっている。 また、趣味の海外旅行をきっかけに、ボストン、バリ、ハワイ等でのセッション経験も多数。 Roland、EVANS、Pro-Mark各社よりサポートを受けるエンドース・プレイヤー。