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FEB,2020
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女性ボーカリストになるためには?おすすめの練習曲をジャンル別にご紹介

投稿者 :ミュージックレッスンラボ編集部

女性ボーカリストには3つの特別な声域がある

一昔前は「シンガー」と言う言い方が一般的でしたが、最近は「ヴォーカリスト」と呼ぶことが多いかもしれません。それだけ「声」に特化した時代なのでしょう。様々な声を持ったアーティストも登場しています。あなたはどんな「声」がお気に入りでしょうか?

①「女声」にしか歌えない、天使の音域がある

女性の声を「女声」と言います。男性の声は「男声」ですね。男女の違いがあれば、当然声帯やホルモンの違いがあり、男声は低く太い声になり、女声は男声よりも高く、細い声になります。

しかし、女声だからと言って、皆が同じ声になるわけではありません。声帯の長さによって、女声の中にも声の高低はあり、太さにも違いがあります。最初から良く響く声もあれば、ハスキーな声も。男声に比べて子供の声に近いとはいえ、女声にも声変わりはありますから、年齢とともに、声の質も変わっていきます。

しかし、女声だからこそ、発声できる音域があるのです。これがいわゆる「天使の声」といわれるところで、クラシックの声のパートでいえば、コロラトゥーラといわれます。

モーツアルトの時代より以前、オペラの舞台はカストラートが全盛でした。歌舞伎と同じで、女性が舞台役者になることはなく、男性がその代わりをしていたのです。その部分に女性が登場してきて、テノールと同じ音域を持っているのがコロラトゥーラ。早いパッセージを歌い上げることも特筆する音域ですね。

この音域をもっている女声は、中性的な役も多く、声そのものも、どこかボーイソプラノを思わせるために、「天使の声」と言われています。

②物腰から空気も変えてくれる優しい歌声

女声と言うのは、もともと柔らかく、綺麗な響きを持っています。それに加え、天性の声の良さや、同時に感性の豊かさなどで、会場を包み込んでくれる優しさもあります。

日本人は骨格的にリリコ・レッジェーロと言う、軽めの声が多いのですが、オペラやミュージカルなどでは、どうしても娘役などが多くなってきます。

しかし、中に低い声と深い響きを持っているコントラアルトと言う声域を歌う女声は、役柄も母親や祖母、または思慮深い人格などを歌うことがあり、豊かな音楽を提供されています。ジャズシンガーやポップス歌手などにも、深い歌声を持っているヴォーカリストがいますが、共通しているのは、その物腰や雰囲気にも、声と同じく豊かさがあると言うことです。

おそらく、口から出す言葉や声などは、その人の人格や性格、人生なども反映するのでしょう。そういう意味では、低い声のヴォーカリストは体形もふくよかかもしれません。

③時には鋭く会場を貫く強さ

女声の声は柔らかいばかりと思っていると大間違い。声は響きの作り方によって、時には鋭く、きつい音にもなるのです。

「天使の声」のコロラトゥーラの女声などは、その典型で、澄んだ綺麗な声で歌っていたかと思うと、耳をつんざくような高さを、激しいパッセージで攻めてくる。そういう意味では、多様な表現が可能なのも、女声の特徴かもしれません。地声まで使えば、音域はかなり広くなります。

また、高い音だけではなく、先ほどのコントラルトの低い声で、唸るような楽曲もあります。もちろん、全ての声部に言えることですが、その声自体は訓練をして、身体から出さないと表現にはなりません。また、声だけでも会場を揺さぶるような音にはならず、全てが一体となって、改めて会場を貫く鋭さが生まれてくるのです。

【ジャンル別】女性ボーカリストの練習におすすめな曲12

ポップス編

①「はじめまして」 平原綾香

彼女は美声ではないのですが、その声に魅力があります。音大出身と言うことで、しっかりした音程で歌う音楽は、児童合唱のようにも聴こえます。あまり広くない音域の間を行ったり来たりするようなどこか安心感を与える、稀有なヴォーカルです。

②「AGAIN」  DREAMS COME TRUE (吉田美和)

JPOPのヴォーカリストを上げるなら、絶対に外せないのが吉田美和。彼女の張りのある歌声と、独特な歌いまわし、何より艶のあるアルトの声に癒されます。正に耳が欲する歌声でしょう。

③「BREATHE」  LEE HI

K-POPから、イ・ハイの歌声をご紹介します。韓国女性にしては、珍しく背も低い少女のようなイ・ハイですが、その声はパンチの効いたハスキーヴォイスで、R&Bの曲などガンガンに歌いあげます。それと同時に際立った歌唱力と表現力で、バラードも絶品。これこそ癒しの声ですね。

ジャズ編

①「Back To Black」  Amy Winehouse

若干27歳で早逝した天才ジャズシンガー、エイミー・ワインハウス。ピンと張りのある、彼女の声は独特で、つぶやくように歌い上げるのが特徴です。シャウトするでもなく、しかし、心にグサッとナイフを刺されるような鋭さがあります。彼女の人生がそのまま歌になって表現されている感じがします。

②「I Love You, Porgy」 Nina Simone  

公民権運動の闘士としても活動したニーナ・シモン。壮絶な人生を送った彼女ですが、実はクラシックのピアニストを目指しており、一度はNYの名門音楽大学ジュリアード音楽院を受験していますが、黒人であったためにそれは叶わず、生活のために歌い始めたジャズが、いつしか彼女の発言を支える唯一の友となっていきます。この曲は、ガーシュインのオペラ「ポギーとベス」の中の曲ですが、この曲によって彼女は一躍スターダムにのし上がりました。

③「テネシーワルツ & Over The Rainbow」 綾戸智恵

ジャズ・ヴォーカリストには、やはり透明な声よりは、ハスキーな声の方が歌いやすい歌が多いのかもしれません。瀬戸智恵も同じく。しゃべる声もかなりハスキーですよね。

しかし、良く聴いてもらうとわかるのですが、彼女は意外と美声です。声自体は綺麗な声ですね。関西の人で、大らかにしゃべったり笑ったりするので、もともとの声をあまり聞いたことがないのですが、だからこそ、歌声に説得力があります。

演歌編

①「東京だヨ おっかさん」 島倉千代子

島倉千代子さんの声は綺麗です。演歌歌手の方が持っている、独特の強さもないし、こぶしもコロコロと軽く回すくらい。どちらかと言えば、クラシックの歌手のように響きが正統派です。これこそ「天使の声」じゃないかと思うような、綺麗さの中で、強さも持っている、稀有な声の歌手です。

②「夜桜お七」  坂本冬美

これぞ「ザ・演歌」と言う歌声の坂本冬美。彼女の声は、正に「女声」と言うのにふさわしい、女性らしい歌声。高く響き渡る声は、気持ちが良いですよね。演歌以外の曲も歌っており、その時は女声ポップス歌手としての力量もちゃんと感じさせてくれます。

③「一番星」  天童よしみ

天童よしみの声は、しっかりした強さを持ったアルトです。曲の音域も広くありませんが、だからこそ、言葉に強みが出るのが特徴です。低い声には温かみもありますね。こぶしはお手の物。声の強さと安定が魅力です。

クラシック編

①「明日に架ける橋」 JACKIE EVANCHO

TV番組で話題になった、若干14歳の天使の歌声。ジャンルはポップスかもしれませんが、発声が正統クラシックなので、こちらにあげてみました。14歳と言うと、丁度女声も声変わりがある頃です。身体が成長するにつれて、声帯も変わってくるので、恐らくその頃の危うさもあると思われますが、透き通るようなきれいな声はまさに「天使の声」と言えるでしょう。

②「Vocalise」 Natalie Dessay

ソプラノ歌手のナタリエ・デッシー。リリコ・レッジェーロと言う声部で、軽い綺麗な声を持っています。この曲はラフマニノフと言う作曲家が書いた、「ボカリーズ」と言う、元々は母音で歌う曲なのです。美しいメロディと声自体の魅力を十分に発揮できる楽曲として有名で、そういう意味では実力がないと歌えない歌でもあります。彼女の綺麗な響きと曲が、まさに「天上の音楽」となっています。

③「Habanera」(Opera「Carmen」) Agnes Baltsa

メゾソプラノの声も聴いてもらいましょう。アグネス・ヴァルツァは軽めのメゾで、ロッシーニやモーツアルトを得意としていますが、メゾやアルトの歌手が必ず歌うのが、オペラ「カルメン」の主役、カルメンが歌う「ハバネラ」と言う歌。これは、スペインの舞踊の音楽を用いた楽曲で、自由奔放なカルメンの代名詞のような曲となっています。音域も広く、時々重めの声をもったソプラノも歌いますが、やはりメゾやアルトの人間臭い声の低さが似合っている曲です。豊かな響きと芝居の妙が堪能できます。

女性ボーカリストを目指すなら、どんな練習がおすすめ?

「天使の声」を目指して、自分だけで練習しても、ある程度のところでやはり人に聴いてもらうことが必要となってきます。自分の声は聴くことが出来ません。

何より、確実に実力を付けたいならば、やはり専門家の耳に頼るのがベストでしょう。

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最後に

「女声ヴォーカリスト」と言っても、簡単にくくれるものではありません。十人十色に声があり、その声の魅力があり、そして、その人の魅力があるのです。

自分が本当に歌いたい歌、そして、その歌を歌うために必要な声の魅力を、どんどん磨いていきましょう。プロへの道も開いています。EYS教室は、未来の扉を開けるためにいつでもあなたを待っています。

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