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AUG,2017
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知って観ると100倍楽しい!初心者にもおすすめ、オペラ鑑賞のマナー&作品【後編】

# 音楽ネタ

投稿者 :ナカヤアキ

前半では、オペラの歴史と代表的な作品をご紹介しました。続いて、一度は訪れてみたい世界各国の有名な劇場と、知っておきたいオペラ鑑賞のマナーについて解説していきます。

世界の劇場

日本国内でもオペラは鑑賞できますが、オペラに魅せられたら、本場の有名オペラ劇場で鑑賞してみたい、と思いうはず!? 世界には数多くのオペラ劇場がありますが、その中でも最高峰の劇場を紹介いたします。

■ウィーン国立歌劇場(オーストリア)

ウィーン交響楽団、ウィーン国立バレエ団の本拠地でもある世界屈指のオペラ劇場で、17世紀以降オペラが上演されてきました。現在では、世界で最も重要なオペラ座として名を馳せています。

■ミラノ・スカラ座(イタリア)

オペラが生まれたイタリアでも最高峰とされる劇場です。初代の劇場は焼失してしまい、現在の建物は二代目です。プッチーニ作の「蝶々夫人」や「トゥーランドット」はここで初演されています。

■メトロポリタン歌劇場(アメリカ)

ニューヨーク、マンハッタン地区にあるアメリカ随一のオペラ劇場。主演者や衣装、舞台装置の豪華さでも有名です。

■パリ・オペラ座(フランス)
フランスの首都・パリにある歌劇場で、設計者の名前を取り「ガルニエ宮」とも呼ばれています。世界を代表する豪華絢爛さ。世界最古で最高峰のパリ・オペラ座バレエ団の本拠地としても有名です。

■コロン劇場(アルゼンチン)

ブエノスアイレスにある、世界第2位の規模を誇る巨大な劇場。ミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座と並び世界三大オペラ座とも称されています。

コロン劇場

オペラ観劇のマナー

オペラ 服装

特別な空間である劇場内ではマナーが必要です。オペラ鑑賞で周囲の人に迷惑をかけたり恥をかいたりすることのないよう、マナーはしっかりと。

■大きな荷物はクロークに預ける
荷物やコートは座席の足元に置くこともできますが、無料で利用出来るクロークがあるので、貴重品が入ったバッグ以外は預けてしまう方が楽ですよ。大きな荷物を持ち歩くよりスマートです。

■劇場へは余裕を持って早めに到着する
開演時間に遅れると途中入場とみなされ、休憩時間まで、後方で立ち見となります。落ち着いて観劇するためにもなるべく時間に余裕をもって30分くらい前には入場しましょう。

■上演中の撮影、録音
上演中の撮影や録音は禁止です。

■拍手のタイミング
歌手が歌い終わった後の「間」、いわゆる「余韻を楽しむ」ことが美徳だとされるクラシック音楽。周りよりも早く「ブラボー!」と言ったり、拍手をしてしまうと。この余韻を壊しかねません。観劇に慣れてない場合は、周囲のタイミングに合わるのが無難です。

■服装のマナー
外国の一流劇場では男性にはジャケットとネクタイ、女性にもそれなりのドレスアップが求められることが多いですが、日本では、周りの人が迷惑にならないような服装であればOKです。言ってしまえば、何でもありということになりますが、非日常の世界が味わえるオペラなので、どうせだったらドレスアップして楽しむのもいいでしょう。

海外では、全てが豪華絢爛な空間になっているので、あまりにもカジュアルな服装だと入館を断れてしまうこともあるので注意しましょう。また、イタリアでは縁起の悪いとされる紫色のドレスなどは入館を断られてしまいます。国ごとのタブーやマナーも存在するので気をつけて!

■あると便利なオペラグラス
後方の座席を予約した場合は、オペラグラスを持って行くと便利です。

■劇場内での飲食
席での飲食は禁止されています。休憩時間に、ラウンジなどでフィンガーフードや菓子類を購入して食べることができます。

ミュージカルとは何が違うの?

オペラとミュージカル

同じ音楽に合わせて歌って踊って、どちらも偉大なエンターテイメントなのに、どう違うの…?。ミュージカルとオペラの違いがよく分からないという方も多いはず。2つの違いを比べてみましょう。

●歌の発声法
オペラは独特の発声(ベルカント唱法)唱法で歌われますが、ミュージカルは一般的にポピュラーソングを歌う歌手と同じ発声法で歌われます。また、オペラはマイクを使わない生歌ですが、ミュージカルはマイクを使うこともあります。

●使用楽曲
オペラはクラシック音楽を使用されますが、ミュージカルはポップスからジャズ、ロックなど、様々な音楽が使用されます。

●歌手と踊り手
ミュージカルは演者の役柄や感情表現などもダンスで表現することがあり、ダンスが作品の重要な構成要素となっています。一方のオペラでは、ダンスは重視されず、演者と踊り手が分かれています。

●台詞
オペラは台詞も含めて音楽で作られています。一方、ミュージカルは歌わないで語る台詞があります。

●伴奏
オペラはオーケストラピットという舞台手前の観客からは隠れた場所にスタンバイしたオーケストラによる生演奏ですが、ミュージカルは録音された音源を用いたりやバンドが生演奏することもあります。

海外のオペラシーズン

オペラハウス

ヨーロッパやアメリカのオペラシーズンは9月~翌6月です。夏休みに海外のオペラ劇場で観劇しようと思っても上演されていませんのでご注意を!しかし、オペラは上演されていなくても劇場内の見学をすることも可能なので、時間があれば劇場を訪れてみるのがオススメです。

では夏の間、オペラ関係者は何をしているのでしょうか。

例えば、ニューヨークのメトロポリタンオペラなどは、有志が世界巡業をしたり、世界各地の音楽学校で唱法や楽器の講師をしたりしてオペラファンを増やすべく尽力することも。

毎年ではありませんが、東京や大阪などにも巡業に来ることもあるので、比較的安価な料金のマチネー(日中公演)がオススメです。その巡業が終われば、次のシーズンが始まるまで、夏の間、リゾートや思い入れのある土地でゆっくりリラックスをして鋭気を養うそうです。

オペラをもっと身近に

元々、オペラは庶民も親しんだエンターテイメント。オペラはクラシックの中でも敷居が高いイメージがありますが、少しの知識とマナーをおさえれば、意外と気軽に楽しめる要素も多いので、ぜひ、リラックスして行ってみてくださいね。

【前編】はコチラ
知って観ると100倍楽しい!初心者にもおすすめ、オペラ作品&マナー

32種の楽器&ヴォーカルコース
EYS音楽教室

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
幼少から音楽のある環境で育ち、気がつけば音楽が大好きに。クラシック、ジャズ、ロックはもちろん地球上にある音楽が大好きです。明るく前向きに、をモットーに元気になれるストーリーをお届けします。