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JUN,2020
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【ベースの種類・形を解説】自分に合ったベースの選び方とは?

投稿者 :河野岳美

ベースの種類もさまざま!

一口にベースと言っても様々な種類あります。ロック好きの方がベースと言ったらエレキベースのことですね。でもオーケストラの指揮者が舞台でベースと言ったらコントラバスのことです。そもそも「ベース」という単語は「低音」や「低音を演奏する楽器」を示す言葉なんですね。ちなみに「バス」も「ベース」も同じ「bass」で、これはドイツ語か英語かというだけで同じ意味です。イタリア語だと「basso」、フランス語だと「basse」と少しだけ語尾が変化します。

普段我々が日常的に使っている「ベース」という言葉が結構曖昧に「低音を演奏する楽器」としてしまうと話が進まないので、ここではいわゆる弦楽器のベースに絞って進めていきましょう。

エレクトリックベース

ポピュラー音楽の上でベースと言ったらエレクトリックベースのことをみなさんイメージしますね。エレキベースといったほうが馴染みあるかもしれません。このエレクトリックベース、正確には「エレクトリック・ベース・ギター」です。直訳すると「電気的・低音の・ギター」です。そう、普段ベースと呼んでいるこの楽器は「低音のギター」なんですね。ギターの仲間です。

構造的には様々な物がありこうでなければいけないという定義はありません。ギターより1オクターブ音が低く、弦の振動を電流に変換してアンプとスピーカーを通して増幅すると言ったところでしょうか。エレキベースを世に出したフェンダー社が最初に作ったプレシジョンベースの構造が一般的なイメージだと思います。弦は4本でソリッドボディにマグネットピックアップ。ここから様々な楽器に派生していくわけです。

エレクトリックベースには「プレベ」と「ジャズベ」の二大派閥が存在します。「プレベ」とは「プレシジョンベース」の略。1951年にフェンダー社が世界で初めて量産型のベースを発売しました。これ以前はベースと言ったらコントラバスだったのですが、ギターのように肩から下げられて、アンプで大音量が出せて、フレットが打たれたので正確な音程で演奏できる楽器が発明されてしまったので世の音楽家たちはこぞって使い始めたわけです。この「プレシジョン」という単語は「正確・緻密」という意味で、フレットが打たれたので正確な音程で演奏できる、プレシジョンな演奏ができるという意味で命名されました。

一方、「ジャズベ」と呼ばれる「ジャズベース」は同じくフェンダー社が1960年に販売した物です。プレシジョンベースのサウンドを拡大させて様々なジャンルの音楽に適合させることを目的に開発。プレシジョンベースは1つのピックアップだったのに対して2つのピックアップを搭載し、それぞれをブレンドして多様なサウンドを生み出せるようにしました。名前に「ジャズ」と入っているのは原型の「ジャズマスター」というギターとともにブルース・ジャズプレイヤーへ向けての開発、販売でした。その後ロックミュージシャンにもこのサウンドが受け入れられて現在に到っています。

ここでは書ききれないほどの歴史と時代に合わせて変容してきた音楽と共に進化してきたエレクトリックベース。これほど幅広い多様性を受け入れてきた楽器も珍しいですね。

アコースティックベース

アコースティックとは楽器本来の響きを生かしたという意味でエレクトリックの対照として使われる言葉です。なのでアコースティックベースとはエレクトリックベースのように電気的な増幅をしないで音の鳴るベースという意味になります。ここで「ウッドベースのこと?」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。ここら辺が言語的に混乱を招くところです。英語で書くとacoustic bassですが、英語圏ではコントラバスを指す言葉だったりもします。日本でもこの通りに使う方もいるので曖昧かつ混乱をきたす楽器の一つかもしれません。

アコースティックベース、正式には「アコースティック・ベース・ギター」。エレキベース同様の音域を持ち、ストラップで肩から下げて演奏できる弦が4〜6本の楽器。エレキベースと同じ仕組みをしているので奏法は同じ技術を活用できます。アコースティックと謳っている以上、楽器単体で音が響かなければいけないのでホロウ(中空)構造のボディを持っています。とは言ってもベース本来の低音域を鳴らすにはギタロンやコントラバスの容積が必要です。ひとまわり大きいアコースティックギターのようなこの楽器の容積では少なすぎるのでピックアップで音を拾うのが前提となっています。そうなると本当は「エレクトリック・アコースティック・ベース・ギター」が正解ですね。

ウッドベース・コントラバス

ウッドベース、コントラバス、バス、ベース、アコースティックベース、アップライトベース、ダブルベースなどなど。これらは全て同じ楽器を指している単語です(アコースティックベースについては前出)。これらの呼称がこんなにも多いのは使われる場面が多いからですね。呼称は多いですが写真の通り、あの立って弾くバイオリンのお化けのようなあの楽器についてです。

構造的や歴史的な見方をすると辞書のような本が書けてしまいます。今から四十年以上前に刊行された「コントラバスの歴史(アルフレッド・プラニャウスキー著 ; 田中雅彦[ほか]訳)」という本で600ページという量です。主にクラシックの見地から書かれていますがここにジャズ、ポピュラーの歴史を入れたらどんなことになるのやら…興味のある方は一度読んでみることをおすすめしますが、絶版品のため稀に古書店やオークションに出るくらいなのでなかなか入手困難かしれません。

ウッドベースという単語は和製英語なんですね。なので英語圏の人にwood bassと言っても全く伝わりません。クラシック畑の人たちは英語圏含めてバス、ベースが多いです。日本人はコンバスと略す人も多いですが英語圏の人にコントラバスと言ってもこの単語自体はドイツ語のためあまり通じなかったりします。

吹奏楽では弦バスと呼ばれていることもあって、これは管楽器のバスと区別するためのようですがチューバを「管バス」とは呼びません(E♭バスのような呼称はあります)。ジャズ、ロック界隈ですとアップライトベースの呼び名が多い感覚です。これはエレクトリックベースと区別するためですね。ダブルベースという呼び名もありますがあまり耳にしたことありません。英語起源の呼び名ではありますがイギリス人に言ってみたら一瞬考えていたので、伝わるけれど普段使わないくらいの感覚なのかもしれませんね。

エレクトリックアップライトベース

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アップライトベース、直訳で「直立しているベース」なのでコントラバスを指しているのは前述の通りです。これこそ「アコースティック」なベースの代表格ですがあまりの大きさのため運搬には多大な労力を必要とします。

また大きなステージや大音量のバンドで使おうと思うとマイクで増幅しなければならず、ハウリングの悩みが必ずついて回ります。これを解消する一つの手段として出てきたのが「エレクトリック」なアップライトベース。通常はコントラバスより小さなボディでソリッドだったりセミホロウ構造だったり、中にはネックだけのような構造だったりと大きさ、重さ、ハウリング対策を兼ね備えている楽器です。エレクトリックなのでピックアップで増幅することが前提になっています。頭文字をとって「EUB」と略されることもあります。

コントラバスの代用品のような形で出てきましたが、今ではエレクトリックベースより長い弦長を持つために豊かな倍音成分を含み、コントラバスよりエレクトリックなサウンド持つ楽器として独自な路線が生まれました。各社コントラバスに寄せたものからエレクトリックベース的な物まで多様なサウンドを提供しています。

どのベースの種類のベースを選ぶのが良いのか?

一口にベースと言っても楽器の大きな形状だけでこれほどの違いがありますし、その中でもさらに細かく分類できてしまいます。奏法としてはエレクトリックベース、アコースティックベースのようなストラップで担いで演奏るタイプとコントラバス、エレクトリックアップライトベースの直立縦型ベースでは大きく異なります。技術もサウンドも違うので、ご自身の音楽にどれが合うのか色々と試してみるしかないですね。

相談できる身近なプロを持とう

エレクトリックベースが弾けるからといってコントラバスが弾ける訳ではないのが悩ましいところ。コントラバスにピックアップつけるのが良いのか、エレクトリックアップライトベースを導入したら良いのか。こんな悩みもありますね。一人で悩んでいるのなら現場で使用しているプロに聞いてしまうのも一つの手段です。なかなかライブ会場に押し掛けても教えてくれる訳ではないのでレッスンを受講することをおすすめします。レッスンに行くと技術も音楽も教わりながらいつでも楽器的な相談できるって安心じゃないですか?

「EYS音楽教室」をおすすめする理由

EYS音楽教室では現役で現場に立っている講師から、現場は引退したけど圧倒的な経験値を持って指導に当たる講師など様々な講師が在籍しています。一般的なレッスンは一人の先生について教えてもらいますが、EYS音楽教室ではレッスンごとに先生を選ぶことが出来ます。さらに他の楽器までレッスンの受講が可能。

講師も人ですので技術的に得手不得手があります。エレクトリックベースが得意な講師もいればアップライトが得意な講師もいる。両刀使いの講師も当然います。エレクトリックベースを習っていてアップライト弾きたくなっても講師がエレクトリック専門だったら教わることできないですよね。でも自由に講師を選べるシステムなら今回はアップライトの講師に習いに行こうということが自分で選択できて、当然費用も変わらない。今の自分に一番あった講師を選ぶという事が普通に出来てしまうのがEYS音楽教室です。

バンドでコーラスもやらなければいけなくなったのでボイトレ受けたい。相方のドラムのことがもっと知りたいからドラム叩いて見たい。こんな希望も同じレッスン費用で出来てしまうんです。

やりたいことを実現するためのレッスンですから、やりたいことができる環境というのは非常に大事です。

最後に

ベースの種類についてかなり大きな枠で解説してきました。これらの種類は確実にサウンドの部分で大きく違うものです。ご自身の音楽にあった楽器を選ぶのも当然ですが、新たなサウンドを手にいれるという挑戦もぜひしてみてください!

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