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APR,2020
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【バイオリンの弦張り替え講座】現役講師がおすすめする弦や便利アクセサリーをご紹介

投稿者 :沼田翼

ヴァイオリンの弦ってどうやって張り替えるの?

ヴァイオリンの弦が切れてしまった時、とても驚きますよね。筆者の生徒さんにもよくいらっしゃいます。多いのが、チューニングをしている際に切ってしまった。ですね。演奏中に切れてしまうという事は殆ど聞いた事が無いので大体の原因が音を合わせる為にペグを回しているとつい巻きすぎてしまったのかバツン!!と大きな音を出して弦が切れてしまうのです。顔などに弦が当たって怪我をしなければ良いのですが、あくまで金属なので注意してくださいね。

この、弦が切れるというのは一見マイナスに見えてしまうのですが、筆者はよく生徒さんに「弦は数本切るつもりでいた方が良い」と言います。それは、切れる事を怖がりすぎてチューニングが自分でできなくなってしまうからなのです。子供が遊んでいる時に羽目を外しすぎて怪我をして危険な事を学ぶのに似ていると思います。特に、一番細いE線は中でも切れやすいですが、自分で弦を巻く力の具合を試してみないとチューニングが上達しないのです。幸いな事にヴァイオリンの弦は弦楽器の中で一番安いので間違えて切ってしまってもスグにリトライできます。

上記のように促すのはもう一つ理由がありまして、ヴァイオリンの弦の張替えはとても簡単なんです。見ての通り、物凄くアナログな楽器なので手順さえ掴んでしまえば自分で簡単に弦の張替えが出来るのでぜひ参考にしてみてください。

バイオリンの弦を張り替える3つの手順を解説

①弦のボール部分をアジャスターに引っ掛ける

まずは、弦の端にあるボール部分を画像の穴に通し引っ掛けます。そこから駒の上を通します。左側から一番太いG(ゲー線)D(デー線)A(アー線)E(エー線)の順番に張っていくと判りやすいです。

②弦のもう片方をペグの穴に通し、時計回りに回して弦を張っていく

弦のもう片方(何も付いていない方)をペグの細い穴に通します。お裁縫で針に糸を通すような感じなのですが、なるべく長くペグの穴に通してあげた方が巻きやすいです。この時に左手前がG線、左奥がD線、右奥がA線、右手前がE線になるので間違えないようにしましょう(間違えてしまうとA線巻いてるつもりがE線を巻いてしまい簡単に切れてしまいます。。。)

③手前のアジャスターに余裕を持たせる

ある程度弦に張力を持たせたら、手前のアジャスターのネジは3mm程余裕を持たせてあげましょう。ここに余裕がないと細かなチューニングができなくなってしまいます。

バイオリンの弦の種類はどう選ぶ?

どんな弦があるの?

ヴァイオリンの弦はとてもたくさんの種類がありますよね。メーカーは勿論の事、そのメーカーの中でも何種類も弦の種類があるので大変です。しかし、逆にこれは自分の弾きやすい張力や好きな音色が選り取り見取りという事の裏返しなのです。硬いものから柔らかいものまで千差万別あるんです。イヤホンが無数にあるのに似ているかもしれません。低音がよく出るイヤホンが良かったり、音がまとまっているイヤホンが良かったり、好みは人それぞれですので様々な弦を試してみると良いかもしれません。ヴァイオリンの弦はリーズナブルな物が多いので気軽に試してみて、お気に入りの弦を見つけてみてください。

プロが教えるお薦めの弦

ここでは実際に筆者達ヴァイオリニストがオススメする弦を紹介します。まず、一番オーソドックスな弦がこのパッケージ『ドミナント』と言われる弦です。

もっともオーソドックスな弦と言われており、安定感や硬さなどとても標準的な弦です。おそらく、楽器屋さんなどで最初に買ったヴァイオリンに元々張ってある弦もこのドミナントが多いかもしれません。どこの楽器屋に行っても見かける事のできるワールドワイドな弦です。

次に紹介するのがこちらの弦、D’Addario社の『カプラン』という弦です。

D’Addario社はギターの弦が有名かもしれませんね。今回紹介させて頂くカプランという弦はD’Addario社の中でもハイエンドなモデルの弦で音色が良いのは勿論なのですが、チューニングが狂いにくいのです。私もモニタープレイヤーとしてこのカプランという弦を使わせて頂いており、メーカーさんにレビュー提供したりさせて頂いたのですが確かに安定感はとてもあります。ヴァイオリンは基本的に湿気を与えなければあまりチューニングは狂わないものなのですが、このカプランは数ミリとも違わず同じテンションを保ってくれているので演奏中の安心感がとてもあるので今回オススメさせて頂きました。

弦を張り替える時の注意点

また切ってしまうのではないかと不安になる

前述した通り弦は何回も張り替えれば自然と慣れてきます。コツも掴んできます。しかし、どうしても最初の一回目や二回目でも失敗はしたくないですよね。そんな時のコツを紹介します。

ヴァイオリンのチューニングは主に楽器上部の黒いペグと駒の下部にあるアジャスターで調整します。アジャスターの方が確かに簡単に調整できるのですが、アジャスターで調整するのは最終手段だと思って頂きたいのです。

E線以外の弦はよほど経年劣化しているか、爪が食い込んでしまって一部細くなってしまったりしない限り殆ど切れる事はないです。なので、まずは一番切れづらいG線でアジャスターを使わずにペグだけで調整できるように練習してみましょう。たくさん回してあげればペグもだんだん回しやすくなってきます。E線だけは切れるリスクが高いので程々の所まで合わせられたらアジャスターで微調整しましょう

全ての弦に言える事ですが、いきなり時計まわしに巻こうと力を入れないで最初は反時計回り(手前側に)に緩めてから巻いてあげるとスムーズに巻けるようになるかと思うので、ぜひ試してみてください。

痒いところに手が届くおすすめのアクセサリー

ペグだけで調整すると言ってもペグが固すぎてとても回らない!という声、よく伺います。私も昔はそうでした。成人した今でこそある程度の力はあるものの演奏者全員がスグにペグを軽く回せるワケではありません。ヴァイオリンは現代になっても物凄いアナログ楽器、ネジでもなんでもないただペグが刺さっているだけなんです。そんな時に便利なのがコチラのアイテム。

ペグコンポジションというペグを回しやすくしてくれる潤滑剤なんです。使い方は簡単!まず、ペグを外したらリップクリーム(或いはチョーク?)のようにペグのシャフト部分に塗ってあげます。決してヌルヌルベタベタになる事はないのですが、塗っては刺して動かしてを繰り返して加減をみてみると良いかもしれません。このペグコンポジション、実はあまり知られていない代物なので一つ持っておくと、友人がチューニングで困っている時に颯爽と出してあげるとカッコいいですね!

ヴァイオリンを始めるならEYSがオススメ!

ヴァイオリンを始めるネックになるのはやはり「楽器の値段」ですが、まるで鼻歌でも始めるかのように気軽な楽器にしてくれたのがEYS音楽教室です。無料でもらえるプレゼント楽器はアンティーク仕様や明るいバーニッシュ仕様と2通りありまして、好みに合ったカッコイイ方を選ぶことができます。

アフターケアも丁寧に対応してくれますし、その間練習に困らない様に代替機まで貸してくれるサービスがあります。不調かどうかわからない時は【チャット機能】で講師に相談したり質問することもできるので安心です。

楽器プレゼントで初心者も安心して始められる

ヴァイオリンはギターと違い見た目も殆ど変わらないのに値段の桁が多い!何が違うのか判らない!といった声をよく頂きます。EYS音楽教室ではそんな迷いを払拭できる楽器を無料でプレゼントしております。

筆者の生徒さんも殆どがこの楽器プレゼントキャンペーンを利用してくださっておりまして、一番多い声は「家で練習できるようになってよかった」や「自分の楽器だと愛着が湧く」と言ったお声を頂いております。

ぜひ、気になった方は体験レッスンにお気軽にいらしてくださいね。

体験レッスンのレポート記事はこちら:
未経験者がバイオリンレッスンを受けてみた!EYS音楽教室の無料体験レッスンはどんなもの?
ヴァイオリン初心者必読の記事はこちら:
【初心者必読】ヴァイオリンを始める前に押さえておきたい基本的な知識と練習方法【入門編】

最後に

ここまでバイオリンの弦の張り替え方、またその注意点や現役講師がおすすめする工夫などをご紹介してきました。楽器を楽しむには技術だけでなく、メンテナンスも重要です。最初は張り替えとなると、やや億劫に思うかもしれませんが慣れると自分だけのコンディションを作りやすくなりますし、何より楽器への愛着も増し、より上達に励みやすくなるでしょう。ぜひ、必要なメンテナンスを覚えてバイオリンがより上達することを願っております。

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
音楽大学卒業/村上‘PONTA’秀一 氏に師事。めざましテレビ『超絶技巧選手権』への出演や、テレビドラマ/アニメの劇伴レコーディング、夏フェスへの出演、平昌オリンピック関係者懇親会や大田区政60周年記念式典でのパーティー/ブライダル演奏など、活動は多岐に渡る。さらに、バンドマスターとして、ホール規模のコンサートや、レコーディングのコーディネート業務も行なっている。 また、趣味の海外旅行をきっかけに、ボストン、バリ、ハワイ等でのセッション経験も多数。 Roland、EVANS、Pro-Mark各社よりサポートを受けるエンドース・プレイヤー。