04
OCT,2017
OCT,2017

宮沢賢治が作詞作曲?意外な著名人が作った隠れた名曲

# 音楽ネタ

投稿者 :しも

歌モノの曲は、詞とメロディーが命。

その詩やメロディーをつくりだすのは「作詞家」や「作曲家」といった職業の方々です。

作詞や作曲は、自宅やスタジオで楽器やパソコン、ノートと向き合って行う地味な作業ですが、やっていることそのものは、時として花形のアーティストにも負けないほどクリエイティブ。

時には時代を鋭く捉え、時には後生まで愛される普遍的な価値観を一曲に注ぎ込む、非常に専門的な職業です。

しかし、世の中には作詞家や作曲家ではなく、別の業界で活躍している人が手がけた曲も存在します。

この企画では、意外な人が作詞や作曲をした曲を5つ紹介します。

あんな人やこんな人が手がけた名曲5選

■星めぐりの歌(作詞作曲:宮沢賢治)

まず最初に紹介するのはこの曲。

『銀河鉄道の夜』や『雨ニモマケズ』で知られる作家、宮沢賢治が作詞作曲した「星めぐりの歌」です。

宮沢賢治はチェロやオルガンを演奏したり、自身の楽団を結成していたりと、音楽にも日頃から親しんでいたそうです。

「星めぐりの歌」は、著作『双子の星』に登場する詩に賢治自身がメロディをつけて完成しました。

高倉健さんが主演し、草彅剛さんや佐藤浩市さんも出演している映画『あなたへ』の劇中でも挿入歌として登場した、まさに隠れた名曲です。

■世界の約束(作詞:谷川俊太郎)

続いて紹介するのは、2004年に公開されたジブリ映画『ハウルの動く城』の主題歌「世界の約束」です。

歌うのは、映画の中で木村拓哉さんや美輪明宏さんといった豪華な声優陣の中でヒロインのソフィー役を務めた倍賞千恵子さん。

そして、歌詞を手がけたのは、『生きる』や『ことばあそびうた』ほか多くの作品を世に送り出している詩人の谷川俊太郎さんです。

少ない言葉で大切に紡がれた歌詞は、詩として読んでも胸に迫ります。

谷川さんは実はこの他にも、小・中・高・大学の校歌や、六花亭の社歌、合唱曲の歌詞なども多く手掛けています。

■Swallowtail Butterfly ~あいのうた~(作詞:岩井俊二・CHARA・小林武史)

続いて紹介するのは、1996年に公開された映画『スワロウテイル』の主題歌となった「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」。

劇中でCHARAさん演じる主人公のグリコが結成した架空の無国籍バンド、YEN TOWN BAND(イェン・タウン・バンド)が話題となり、実際にアルバム「MONTAGE(モンタージュ)」もリリースされました。

「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」は、音楽プロデューサーの小林武史さんが作曲を手がけ、作詞はこの映画のメガホンをとった監督、岩井俊二さん、CHARAさん、小林武史さんの共作になっています。

映画を観ていない人にまで、映画の雰囲気を伝えてしまうかのような圧倒的な世界観。

それはやはり、監督自身が作詞に参加したということが大きいのでしょうか。

リリースから20年以上の時が過ぎても色褪せることない名曲です。

■プリン(作詞:小籔千豊)

続いて紹介するのは、吉本新喜劇のお笑い芸人、小籔千豊さんが作詞を手がけたこちらの曲。

小藪さん自身が歌も歌っています。

毒舌ぶりでお茶の間を楽しませてくれる小藪さんが、作詞でも笑いを取る!かと思いきや…数年前に亡くなったお母さんへの想いが歌われていました。

「入院していたお母さんにバイクを飛ばして大好物のプリンを届けた」というエピソードには、聴く人に向けて「身近な人を大切にしてほしい。親孝行は親が生きているうちしかできない。後悔して欲しくない。」というメッセージが込められているのだそうです。

■チキンライス(作詞:松本人志)

最後に紹介するのは、こちらもお笑い芸人の松本人志さんが作詞を手がけ、相方の浜田雅功さんとシンガーソングライターの槇原敬之さんが歌った「チキンライス」。

2004年にリリースされてから、今ではすっかり日本のクリスマスの定番ソングになりました。

松本さん自身の貧しい家庭で過ごした少年時代のエピソードが、多幸感溢れるメロディに乗った他にはないクリスマスソングの形。

松本さんの笑いや人生に対する考え方も垣間見える名曲です。

そして、それを相方の浜田さんが歌うというのもなんだか素敵。

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いかがだったでしょうか?

図らずも、5曲全てしっとりとした曲を選んでしまいました。

さらに、そのうち2曲もお笑い芸人さんが作詞した曲という…偏ったセレクトですみません(汗)。

しかし、普段は笑いを作り出す芸人さんが、曲の世界では普段絶対に見せない一面を表現しているのが不思議ですね。

そして、他に紹介した曲も、普遍的なメッセージでありながら、どこかその人の頭の中を覗き見しているような感覚を感じます。

作詞や作曲は、作る人のパーソナルな部分を露わにする作業で、そうして完成した曲は、その人を投影した「分身」なのかもしれませんね。

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投稿者
1984年生まれのフリーライター。 信州安曇野出身・東京多摩地区在住。 レゲエユニット「KaRaLi(カラリ)」でミュージシャンとしても活動中。