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NOV,2017
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始めてみる? 楽しくてかっこいい21世紀に誕生したニューフェイス楽器

# 楽器# 音楽ネタ

投稿者 :山田洋路

「楽器は長い歴史を持つものこそ信用できる」と考えている方も多いかと思います。それも一理あり、ピアノは約300年前、ヴァイオリンは約500年前…比較的新しい楽器のサックスでさえも150年ほどの歴史があって、ご存知の通り今も楽器の王道として君臨しています。

一方、今世紀に入ってからも新しい楽器は次々と登場していて、現代人の要望にあったカスタマイズがなされていることも事実。そのカスタマイズが小手先のものなのか、この先定番の楽器として定着するのかは、楽器のことを知って自身で予想してみていただきたいところ。

そこで今回は、21世紀に誕生した楽器には、どんなものがあるかをご紹介していきます。きっと、初めて知ったもののなかにも、「演奏してみたい」と思うようなものがあるかと思いますので、ぜひ吟味してみてください。

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ハンドパン

メタリックでクリアな音色が特徴のパーカッション、「ハンドパン」をご存じでしょうか。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパではフォーラムサイトなどで活発に情報交換されていて愛好家も多い楽器です。

ハンドパンのルーツはカリブの楽器「スティールパン」です。大型の中華鍋のような見た目のスティールパンですが、ここから着想を得て2000年頃にスイスのPANArt社が開発したのが「Hang(ハング)」。こちらはスティールパンをひっくり返して、サイズを少しコンパクトにしたようなルックスです。

世にも美しい音色と洗練された音階を備えたこの楽器ですが、長年ベールにつつまれていた製法が、テレビの取材をきっかけに判明したのが2007年頃。ここからいっせいに各楽器メーカーが作りだし「ハンドパン」と呼ばれるようになりました。

楽器はいまだに洗練され続けていて、音数や音域が広げられています。音色の調整は叩く部分によって行います。たとえば円のすぐ脇を叩くとクリアな音が、そこから離れるほど音色はメタリックに…といった感じ。さらには、擦ることで、シンギングボールのような音の出し方もできます。

一般的には指の腹を使ってはじくように叩き、リズムや和音、メロディを奏でますが、奏法も演奏する音楽に合わせてさまざまなものが派生しているようです。

ハンドパンによるメタリックなリズムは、一度聴いたらハマる人続出。電子音楽などとも相性がよく、まさに古典的な楽器の進化版ともいえるでしょう。

VENOVA(ヴェノーヴァ)


サックスの音色は魅力的だけど、「高価」「かさばる」「音が大きすぎる」など、入門の敷居がとても高いのが難点。そこで、YAMAHAがリコーダーのような手軽さで始められ、かつサックスに似た音が出る楽器「ヴェノーヴァ」を開発しました。

ヴェノーヴァの売りは、サックスのような表現力豊かな音色です。とてもコンパクトなのに、味わい深い音が出せるのは、ヤマハが独自開発した「分岐管構造」と「蛇行形状」のたまものです。

ヴェノーヴァの管はストレートではなく、分岐・蛇行した構造になっていて、これがコンパクトで大きな音孔なしでも円錐形管楽器のような音響を得られる秘密なのです。

リード楽器ですが指づかいリコーダーに似たもの。さすがにサックスのような安定した音を出すのは難しいですが、おおらかな曲を演奏するとバツグンに楽器の良さが発揮されるでしょう。

ボーカロイドキーボード「VOCALOID」


ボカロの歌声が当たり前に流れ、ボカロ曲がオリコンチャートに入っている昨今ですが、YAMAHAが「VOCALOID」を開発したのはまだ比較的最近のはなしです。

最初の発表は2003年ですが、本格的に一般の人が使うようになったのは2007年に「VOCALOID2」搭載の初音ミク音源ソフトが発売されてから。そこから、抑揚やビブラート、ピッチやテンポのコントロールが自在なボカロの人気に火がつき、今では爆発的に曲数が増えています。

ボーカロイドを歌わせるには通常、スコアエディタへのメロディや歌詞、表情づけのパラメーター入力が必要でしたが、メロディと表情づけを、リアルタイムで行えるようにしたのがボーカロイドキーボードす。

2012年にもYAMAHA社員の方が開発したものがありますが、こちらは左手で歌詞もリアルタイムに入力できました。そのぶん操作が複雑になりますので一般向けというよりも実験機だったようです。

対して、この12月にYAMAHA発売するボーカロイドキーボード「VOCALOID Keyboard VKB-100」は、歌詞はあらかじめ専用アプリで入力しておくので比較的操作がしやすく、リアルタイムでは右手で演奏を、左手で操作子をコントロールして声色に表情付けを行います。

音声はプリセットされているVYのほか、初音ミクを始めとする4種類のものがダウンロードできます。ボカロ活用の幅が広がってライブ演奏などで盛り上がること間違いなしですね。

テレシン

「テルミン」+「シンセサイザー」で「テレシン(Theresyn)」です。テルミン奏者でシンセサイザーのサウンドデザインも手掛ける生方則孝さんが、テルミンが単体では音色をほとんど変えられないことから独自開発した楽器です。

アナログシンセのピッチをテルミン部でコントロールすることで、鍵盤で割り振られた音程にとらわれずに演奏できて、テルミンでできなかったエフェクトがかけられます。

シンセ部の操作子でボリュームコントロールや音にフィルターをかけられるほか、スタッカートがつけられるのように設計されていますので、なんとテルミンの速弾きもできちゃいます。

テレシンがあれば演奏の自由度がいっきに増して、テルミン奏者にとっては夢の楽器といえるでしょう。

一五一会(いちごいちえ)


楽器を身近なものにするべく、誰にでも簡単に弾ける新楽器を…ということで、ヤイリギター社とBEGINが共同開発したのが一五一会です。「ベーシック」「音来(にらい)」「奏生(かない)」の三種類ありますが、どれも個性的ないで立ちで愛着が湧くでしょう。

ちなみに楽器名「一五一会」は、1度と5度の音程だけで成り立っていることにちなんでいます。そのため、4本の弦を人差し指のみで押さえればコード弾きができ、楽器初心者でもすぐに弾き始められるのです。また、楽器はすべてヤイリギターの職人が手作りしたものなので信頼できますよね。

コンパクトなので持ち歩いて、演奏したくなったらすぐにつま弾けるところもグッドです。一五一会は、日常生活を常に楽器があるものに変えてくれるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか?まず、ピアノ、ヴァイオリン、サックス…などの既存の楽器とはまた全然違った楽器が発明できるということに対して、新鮮な驚きがあったのではないでしょうか。

21世紀に登場した新楽器は、楽器演奏の敷居を下げて演奏を身近なものにしているものが多い印象です。さまざまな音楽のスタイルが出てきている現代に合うような設計も特徴的です。

他にもまだまだある新楽器ですが、なかには演奏性や作り出す音のクオリティがとても高いものもありますので、興味ある方はさらに掘ってみて、できればご自身で演奏してみると楽しいと思います。新楽器の探求で演奏の世界を広げてみましょう。

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投稿者
大学では心理学、教育学を学ぶ。なりゆきと内発的動機に身を任せ、福祉やIT、運動指導などの職域を渡り歩くノマドワーカー。現在関心のある分野はパフォーマンス向上のためのライフハック。その日の脳内BGMを朝決めている。